江戸の役人事情 : 『よしの冊子』の世界
筑摩書房, 2000, 237p., (ちくま新書 ; 251)
ISBN: 新<9784480058515>, 旧<4480058516>
内容
2世紀半続いた「トクガワの平和」は、江戸の政府が耐用性に富んだ行政と役人養成の仕組みをつくりあげた結果でもある。 一方には、目付が代表するエリート旗本のブレーン政治が存在し、政府首脳を補佐した。 他方には、勘定奉行を頂点とし、専門実務に習熟した官僚集団があって、政策を動かした。 では、そうした官僚組織は具体的にどう運営されていたのだろうか。 松平定信時代の資料を集めた『よしの冊子』をもとに、リクルートや昇進、引退などの人事システム、そして仕事の内容を明らかにし、身分制と能力主義が微妙に組み合わさった江戸の官僚制を解き明かす。
目次
第1章 うそはほんと、ほんとはうその話
第2章 高級官僚の世界—旗本の誇りと出世
第3章 目付と「お殿様」
第4章 勘定所首脳と改革政治
第5章 出世と職能—「勘定一家」と仕切られた競争
終章 寛政の黒船、幕末の黒船—ラインとスタッフ