ライト兄弟による、人類初の動力飛行から2003年でちょうど100年。ジャンボ・ジェットの就航で大量輸送が可能となり、空の旅が大衆化して約30年。航空輸送は国家政策として利用され、かつ国家の保護を受けて成長してきた。しかし、今やその時代は終わりを告げた。航空自由化時代を迎え、各社間の競争はより熾烈になっている。
『エアライン戦争』(別冊宝島編集部編、宝島社新書)は、航空自由化が利用者にもたらすメリットとデメリットを対談やルポルタージュの形で多方面から追求する。リストラが進む乗務員の悲哀、マイレージプログラムや吸収合併の裏側などがふんだんに盛り込まれ興味深い。人気エアライン10社の徹底比較表も参考になる。
エアライン戦争が生まれた背景に興味があれば、『航空新時代』(中条潮著、ちくま新書)がわかりやすい。96年の発行だが、当時の航空輸送市場が抱えていた課題と規制緩和が打ち出された経緯を理解するのに役立ちそうだ。
さらに問題意識を深めるなら『巨大利権「空港建設」』(杉浦一機、別冊宝島編集部、宝島社新書)がある。外圧に迷走する航空行政のツケと、首都圏第三空港、中部国際空港建設の裏側で暗躍する政治家・ゼネコンの姿がルポルタージュも交えて描かれる。
一方、『知らないと損する エアライン「超」利用術』(杉浦一機著、平凡社新書)は、航空自由化で急速に変化している格安チケットのしくみと最新事情を解き明かす。激安パックツアー、早期割引、特定便割引など各社独自の割引制度や、安全度の高いエアラインや評価の高い快適空港を紹介する。
同じく『シニアのための海外快適旅行術』(田村康二著、新書y)も快適に空の旅をするための処方箋だが、こちらは医学的立場から書かれている。疲労回復のための空港活用法からエコノミー・クラス症候群から身を守る方法、航空会社選びのコツ、どの座席に座ればよいのかまで、医学的見地と体験談をまじえてわかりやすく解説する。
今や私たちの生活にとって欠かすことができない存在ともいえる飛行機だが、空の旅についてリラックスしてあれこれ知るには、『読んで愉しい旅客機の旅』(中村浩美著、光文社新書)がお薦め。「航空ジャーナル」編集長も務めた著者が、ユニフォームや機内食の歴史、進化するトイレ、オフィス化するキャビンなどを紹介。空の旅を文化の視点からとらえている。
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