テーマで探す新書ガイド 新書マップ BOOK MAP web magazine [ 風 KAZE ]
>>新書マップ検索画面へ戻る
テーマ Theme
テーマ Theme
仕事術
あらゆる仕事にとって、その基となる基本思想とは何か。柔軟な職業能力を習得する手法とは、勤勉な労働という倫理観に代わる新しい仕事倫理について。キャリア形成へのメッセージ、組織を頼らない新しい仕事論など。
関連書籍を探す
読書ガイド
 高い水準に突入した日本の失業率。だれもが社会のドラスティックな変化や、転換期としての状況を感じとっている。サラリーマンである人にとっては、リストラも日常的なことになった。
 変化の時代を反映してさまざまな仕事術に関する本が出版されている。『仕事術』(森清著、岩波新書)は「公私融合」(私を重視しながら、必ずしも会社を全否定しようとはしない。あくまでも会社などの組織体と個性的存在である私とのバランスをとって双方を生かしたいと考える)という言葉をキーワードにして、情報化社会、現実的には電子が主役の電子社会における仕事術を紹介する。
 電子化によって変化がおきている社会や職場での実践的仕事術(手や技の技術、マニュアル化、知の技術・情報収集・整理法、職場で育む技術)は実務において即戦力となる。デジタル社会だから通用する仕事論も生まれてきた。画期的なのが『「ひらきこもり」のすすめ--デジタル時代の仕事論』(渡辺浩弐著、講談社現代新書)。バーチャル空間の中では土地の広さやビルの高さは関係ない。そんな組織やビルがなくても各種情報機器やネットワークを使えば、自宅で個人でどんどん仕事ができてしまう。実際に多くの若者たちが、電脳空間への移住を始めている。
 あるコンピュータ・プログラマーは年収1000万円以上を得ていたが、30代前半で引退してしまったという。理由は「一生遊んで暮らせるめどが立ったから」。がっぽり貯め込んだのではなく、「1本あれば何ヵ月も遊べるゲームソフトをすでに数千本持ったから」。あとはゲームをやって一生暮らすだけの必要最低限の金銭は確保したとのこと。著者自身も定職についたことはなく学生時代からゲームセンターに入り浸りゲームの専門家、ゲームクリエータになってしまった。勤勉に働くことが良いこととされてきた今までの仕事観は、バーチャル空間に住む人には意味がない。
 電脳空間での、組織を頼らない新しい仕事論とは対極にあるのが『「良い仕事」の思想』(杉村芳美著、中公新書)。かつて勤労は美徳であった。しかし勤労倫理は崩れ、それに代わる労働の精神的な意味、精神的報酬ともいうべき新しい労働観を著者は求めて、過去の仕事をめぐる思索を訪ね歩く。ギリシャ哲学のソクラテス、ヘシオドス、キリスト教の使徒パウロ、アウグスティヌス、ベネディクト、トマス・アクイナスなどの仕事観を紹介しつつ、「良い仕事」とは何か、そのあるべき姿を考察する。
『失敗を生かす仕事術』(畑村洋太郎著、講談社現代新書)は、失敗の知識化の必要性を訴える。変化の激しい現代は、絶対に安全な道はどこにも存在しない。新しい仕事には失敗がつきものである。だからその失敗することも計算にいれ、頭の3割は常に冷静にしておくことを提案し、あの手この手で失敗に備える方法論を伝授する。薬害エイズ、狂牛病、三菱自動車のリコール問題、国産ロケット打ち上げ失敗など、なぜ失敗したかという実践から学ぶおもしろい角度からの仕事術の本。
 このほか、技術者や職人からの聞き書きによる『仕事が人をつくる』(小関智弘著、岩波新書)、ビジネスにおけるコミュニケーション能力を高める技術を伝授する『図解仕事人』(久恒啓一著、光文社新書)、経営幹部へのインタビューと調査からなる『仕事で「一皮むける」』(金井壽宏著、光文社新書)などがある。
ウインドウを閉じる
<< PAGE TOP