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原子力発電
原子力の平和利用の主流として開発された原子力発電だが、事故の危険性や放射性廃棄物処理の問題が指摘されている。問題点から新発想の原発の提案まで。
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読書ガイド
 原子力発電は、エネルギー問題として語られるだけでなく、ウラン採掘から燃料運搬、発電、放射性廃棄物処理にいたるまでの放射能汚染問題、反対運動や補償などの社会問題など、さまざまな問題を抱えている。エネルギーとしての捉え方にしても、人類が制御できない"悪魔のエネルギー"だという指摘がある反面、発電時に二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーであるとの主張が見られるほど極端に評価が分かれる。出版物では、環境汚染、原発事故、廃棄物処理、地域社会の崩壊といった問題を指摘するものが多い。エネルギー需要が予測ほど伸びず、一方では自然エネルギーの利用や燃料電池の実用化が進んできたので、原子力発電に対する期待は急速にしぼんできた。これからは、廃棄物処理の問題、廃炉技術の問題、地域社会復活の問題が大きくなるだろう。
『原発列島を行く』(鎌田慧著、集英社新書)は、1992年から2001年にわたって「週刊金曜日」に掲載したルポをまとめたものである。著者は、17カ所の原発建設地や原発予定地、使用済み核燃料貯蔵所候補地をまわり、現地住民の声や電力会社、行政の動きを紹介している。あとがきにある「政府と電力会社ともども、すべての問題をカネで解決しようという風習をつくりだした」という指摘が重い。
『原発事故はなぜくりかえすのか』(高木仁三郎著、岩波新書)は、東海村のJCO臨界事故に大きな危機感を感じた著者が死の直前に録音した内容をまとめたものである。「原子力時代の末期症状による大事故の危険と結局は放射性廃棄物がたれ流しになっていくのではないかということに対する危惧の念」を抱く著者の気持ちは、「議論なし、批判なし、思想なし」「放射能を知らない原子力屋さん」「個人の中に見る『公』のなさ」「自己検証のなさ」「隠蔽から改ざんへ」という各章のタイトルにも現れている。
『原発事故を問う : チェルノブイリから,もんじゅへ』(七沢潔著、岩波新書)の著者はNHKディレクター。チェルノブイリ原発事故に関するテレビ番組の取材ノートを基に、証言や内部資料から隠されていた真実と隠す側の構造を明らかにしようとした、としている。事故の衝撃を受けて脱原発の政策を進めたスウェーデン、脱原発に転換したドイツなど世界の反応に比べて、高速増殖炉"もんじゅ"に象徴される原発推進策を続ける日本の姿が世界的に突出していることも浮き彫りにしている。
『原発を考える50話』(西尾漠著、岩波ジュニア新書)もチェルノブイリ原発事故の話から始めている。そして「原発大国・日本」の現状、プルトニウムや放射性廃棄物の話の後、「社会は原発と共存できるか」と読者である子ども達に問いかける。
『原発はなぜ危険か : 元設計技師の証言』(田中三彦著、岩波新書)の著者は、元原子炉設計者であり、歪んだ圧力容器をジャッキで整形した体験を公表して世間の注目を浴びた。本書の3分の1はその体験で綴られており、現場にいた人でしか表現できない臨場感が迫ってくる。さらに原発の問題点について指摘しているが、あとがきで原発を批判するようになったのは、チェルノブイリ原発事故の記録映画が決定的だったと述べている。
『「原発」革命』(古川和男著、文春新書)は原発推進側に立つ著者が、これまでの原発は間違いだと指摘し、危険なプルトニウムをも消滅させることができるトリウム溶融塩炉を提唱する。
『日本の原子力施設全データ : どこに何があり、何をしているのか』(北村行孝・ 三島勇著、ブルーバックス)は、国内の原子力発電所、研究炉、加工・再処理施設ごとに、出力や炉型、過去の主なトラブルなどのデータを掲載している。また、内外の原子力事故8件についてのデータもコンパクトにまとめられている。
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