アトピー性皮膚炎は、今や子供から大人まで多くの人を悩ませている皮膚疾患である。近年とくに患者数が増加しているが、その原因としては環境問題や生活スタイルの変化、精神的ストレスなどがあげられ、まさに"現代病"といえる。また、その治療法についても社会問題化してきた。というのも90年代からステロイド外用薬へのバッシングが起こり、医療の世界では混乱が生じたからだ。その一方で、さまざまな民間療法やアトピービジネスが起こっている。
『こうして治すアトピー』(竹原和彦著、岩波アクティブ新書)は、治療の実践例を踏まえてアトピー治療の真実を追求する。社会問題化したステロイド批判やリバウンド等の誤解を解き、「ステロイド外用薬を正しく使うことが確実な治療方法」と繰り返している。また、患者の弱みにつけ込んだ悪徳な健康食品、温泉療法、化粧品などのアトピービジネスの弊害として、死亡例を含む著しい健康被害を紹介。
これらの療法は、患者の症状が悪化すると「ステロイド外用のリバウンド」「好転反応」などと言い逃れをし、患者をマインドコントロールするという。一方、ステロイドが入っていないと称していても、実際は強いステロイドが混入されていたという例をあげる。本書はこうした現状を踏まえた上で、いい医師の選び方や病気と上手に付き合うための生活のポイントをアドバイスしている。
「(アトピーは)現代の生活環境や習慣に皮膚に対する思いやりが欠けていて、日常生活のそこここに悪化の原因が潜んでいる環境病」ととらえたのが『アトピーは治る:誤解だらけの"環境病"』(西岡清著、ブルーバックス)。刺激物、アレルゲンによる湿疹反応のメカニズムや発症の引き金となる原因例についてふれ、症状を悪化させる生活習慣、栄養を無視した極端な食事制限、ステロイドへの偏見など、誤解しがちな問題をピックアップし、データや例をもとにアトピーへの正しい理解を呼びかけている。
『アトピー性皮膚炎・克服への近道:ステロイド外用薬の誤解を解く』(竹原和彦著、小学館・実用新書)も、アトピー治療法とステロイド外用薬の正しい知識を伝える一冊。
食物アレルギーと子供のアトピーとの関係をまとめた『子どものアトピー診察室』(三宅健著、集英社新書)は、食べることをいたずらに恐れないための正しい食事制限やハウスダスト対策、薬の種類や使い方などを写真やイラスト入りで明快に記述。アトピーの子供を持つ親とのやり取りを例にあげながら、アレルギー検査の方法や時期、身近な生活に役立つアトピー改善のコツを分かりやすく解説する。
アトピーにまつわるビジネスに詳しいのは『アトピービジネス』(竹原和彦著、文春新書)。その巧妙化する戦略と実態を浮き彫りにするとともに、一部の皮膚科医によって提唱された「脱ステロイド療法」といったステロイド外用が"悪魔化"されたプロセスを検証。
美しい肌を保ち、健康な身体を維持するには?という誰もが知りたい皮膚の不思議に迫るのは『皮膚の医学:肌荒れからアトピー性皮膚炎まで』(田上八朗著、中公新書)。都市生活中の環境問題の一つとしてアレルギー疾患を考察したものに『環境問題としてのアレルギー』(伊藤幸治編著、NHKブックス)がある。
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