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ビートルズ
ビートルズの歴史、文化的な解説やビートルズと日本のフォーク、ロックとの関係について。
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読書ガイド
 20世紀のポピュラー音楽史上最高のグループ、ビートルズ。あっという間に世界を席捲して不動の地位を獲得したが、実際に彼らがライブ活動をした時期は1962〜66年までと意外に短い。その後、1970年に解散するまではレコーディング活動を主体として、様々なレコーディング技術を開発した。解散後も彼らの影響力は薄れていない。なぜこれほどまでに圧倒的な力を持ちえたのか。
『ビートルズ』(きたやまおさむ著、講談社現代新書)は、1960年代後半に活躍した日本のフォーク・グループ「フォーク・クルセダーズ」の一員だった北山修(現在は精神科医)が記すビートルズ賛歌。ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スータの不幸な生い立ちから始まり、ジョン・レノンの死までを中心に、彼らの活躍を社会状況や時代状況とリンクさせながら紹介する。イギリスのリバプールとドイツのハンブルクを主な活躍の場とし実力を蓄えた下積み時代、ビートルズ・メンバーとマネジャーのブライアン・エプスタインやレコード会社のディレクターであるジョージ・マーティンとの出会い、1964年のアメリカでのデビュー、アイドル時代の音楽活動や、彼らの才能の秘密、ジョンとポールの確執、ゴシップ、解散、その後の活躍などを伝記ふうに綴る。また、日本のフォーク・グループの状況もビートルズとの関連において随時紹介している。本書はビートルズを知らない世代に向けたメッセージでもある。
 さらに詳しい評伝が『ビートルズ:二〇世紀文化としてのロック』(和久井光司著、講談社選書メチエ)。本書は、ビートルズ誕生までの経緯やデビュー前夜のことから解散後まで、ビートルズの周辺に関しても詳細に調べあげた読み物。ジョンとポールが最初に意気投合し、そこにジョージが加わり、最初のドラマーだったピート・ベストを切り、才能あふれるリンゴ・スターを加えたビートルズ結成までのいきさつや、メンバーそれぞれの生い立ちに加えて、マネージャーのブライアン・エプスタインの略伝や才能あふれるレコード・ディレクター、ジョージ・マーティンの性格や家柄まで、とにかく丁寧に紹介されている。サブタイトルにある「二〇世紀文化としてのロック」という側面を意識して書いているせいか、ビートルズの巻き起こした音楽文化革命にも目配りのきいた濃い内容。ビートルズを深く知りたい人のための入門書。
 一方、『これがビートルズだ』(中山康樹著、講談社現代新書)は「ビートルズが残した全公式曲二一三曲をテーマとした」とあるように、ビートルズが現役時代に発表した作品を録音順に紹介する。アルバム発表順ではなく録音順にこだわったのは、ビートルズの歴史を再現するにはこのほうが完璧だからということと、アンソロジーやベスト・アルバムから最初に聴きはじめるとビートルズをきちんと理解できないから、という理由。曲の紹介は独断と偏見にみちているが切れ味が鋭くユニーク。たとえば「涙の乗車券」>作曲・John/Paul、ボーカル・John、1965/2/15>についてはこう記している。「クレジットはつねに"レノン/マッカートニー"だが、いまではどちらがどの曲を作ったかほとんど判明している。《涙の乗車券》はジョンの単独作だ。だがポールがリード・ギターを弾き、のみならずリンゴが叩くべきリズム・パターンまで指示した事実は、ポールがこの曲に欠けているものを知っていたことを物語る。その意味で、やはりすべての曲は"レノン/マッカートニー"の共作と言って過言でない。(中略)だが、この曲のクライマックスはジョンの「アア〜」のひと声にある。一分四一秒と二分三〇秒に出るが、後者の「アア〜」はジョンが甘えさせたら天下一品の芸の持ち主であることを証明する。ビートルズが成功していなかったらこの男、まちがいなく世界一のヒモになっていたことだろう。オノ・ヨーコの手には余りに余ったはずだ」。
 ビートルズナンバーの該当曲をバックに流しながらそれぞれの曲の解説を読まないと、この本の本当の面白さはわからないかもしれない。聴きながら読めば二倍楽しめる。
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