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カジノ
ルーレット、カード、ダイスなどを備えた娯楽の王様としてのカジノ。ラスヴェガスを代表とするカジノの魅力とは何か。その発展と経済効果、日本のカジノ公認についてなど、娯楽産業を考える。
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読書ガイド
 ギャンブルやカジノには興味を示す人と示さない人と、初めから大きく二手に分かれるだろう。このテーマの著者としては、ギャンブル社会学の視点から書いている谷岡一郎と、人生美学的見地から書いている植島啓司の二人が代表格だが、ともに青少年時代からコントラクトブリッジや麻雀・競馬にはまった体験者で、ギャンブル賛成あるいは礼讃派、そして二人とも大学教授という肩書きを持つのが面白い。
 東京都の自治体カジノ経営導入案が話題にのぼる昨今だが、カジノ合法化賛成論者の谷岡氏は『カジノが日本にできるとき』(PHP新書)で、そのプラスとマイナスの影響を分析。アメリカを例に、ラスヴェガスの成功、カジノの収支の数字、カジノ経営の実際まで詳しく挙げた上で、カジノ合法化は経済的・社会的効果が大きいと結論づけている。
 また同氏の『ラスヴェガス物語』(PHP新書)は、一大リゾート地として成功した街の歴史を追い、マフィアのバグジー、大資産家ハワード・ヒューズ、新世代ビジネスマンのスティーヴ・ウィンと、三人の立て役者の人生を面白く紹介している。ラスヴェガスがギャンブルの街として発展したのは、近くにフーヴァーダムが建設されたことがきっかけだった。アメリカの各州カジノ合法化は1930年のネヴァダ州に始まり、76年のニュージャージー州、88年のサウスダコタ州と続き、90年代にはインディアン自治区をはじめ、コロラド州やミシガン州など全米各地で続々と合法化されていった。カジノ産業の先頭を走るラスヴェガスも90年代から大型ホテル建設ラッシュが始まり、一大アミューズメント産業のメッカへと変貌した様子が描かれる。
 一方、植島氏は『競馬の快楽』(講談社現代新書)で「負けることを教えてくれる」ギャンブルの魅力について語る。カジノは大きく分けて、親(ディーラー)と対戦するもの、子同士で争うもの、機械相手、の3種類。勝つ秘訣は「まず、ゆったりダラダラすること。そこに居ることがそのまま人生であるような気持ちが必要」と言う。
 その植島氏の弟子を任ずる松井政就の『賭けに勝つ人、嵌まる人』(集英社新書)は、いわばラスヴェガス・カジノ実践編。今や成田から直行便があり、年間50万人以上の日本人旅行客を迎えるラスヴェガスだが、金はあるが遊び方がヘタだと馬鹿にされたり、2倍の宿泊料を取られたりと、知らないがために不利を被っているケースもじつは多い。ショウ目当てに来る客はレート(最低賭け金)の上がる夜に餌食になりやすい、「払い戻し率」と「回収率」の違い、無料招待で"上客"をVIP的に扱うホテル側の思惑、スロットマシンのからくり、ダウンタウンの穴場カジノ、「ブラッフ(はったり)」が重要なポーカーの心理戦など、ラスヴェガス通のアドバイスが満載だ。
 実践派体験記としては『世界カジノぎりぎり漫遊記』(黒野十一著、平凡社新書)の破天荒ぶりが面白い。ペンネームの「黒の11」もルーレットにちなんだものだが、通信社特派員時代から世界各地のカジノを回って、その楽しく美しい世界に魅了されたという。アメリカ・カナダから、ニース、カンヌ、ヴェネチアはもちろん、ドイツ、東欧、アジア、オーストラリアと、世界各地30以上の個性的カジノを巡る漫遊記の体裁になっているのが楽しい。「ギャンブルは自制心を必要とする孤独な作業」と言い、カジノに遊びに行くなら「ほぼ月給分ぐらいは用意したい」と提言。これまで高級外車数台分は負けているという著者だが、人生じつに楽しそうな様子が文からも伝わってくる。
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