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沖縄の文化
琉球、島歌、シーサー、泡盛…、訪れる人々を魅了してやまない沖縄の文化と歴史に触れる新書。
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読書ガイド
 赤瓦の屋根とシーサー、三線(サンシン)の音と島唄、泡盛と沖縄料理、陶芸、染織など、訪れる人々を魅了してやまない沖縄。琉球王朝時代を頂点とする文化盛運には、地政的、歴史的な背景があり、中国、朝鮮、東南アジアなど外国の影響を色濃く残す特異な文化が育まれた。沖縄文化史に興味を抱く人にとっては、『沖縄の歴史と文化』(外間守善著、中公新書)が最適だろう。本書は「文化圏」「歴史」「言語と文化」の各章で構成。特異な性格を持つ沖縄文化の伝播について、著者は、南方からの北上説をとる柳田国男の「海上の道」、九州南下説を説いた沖縄学の先駆者、伊波普猷の研究などを提示しながら、「九州経由の大陸系文化、直接に中国や南方諸地域からきたものなどとの『複合文化』と考えるのが妥当」と見る。酒、染織、陶芸を例にあげて説明する沖縄文化「融合」論は説得力がある。沖縄の言語・文学を専門とする学者(沖縄学研究所所長)だけに、本書では「沖縄の言語と文化」にかなりの頁をさいているのが特色といえる。沖縄方言(ウチナーグチ)の成り立ちと構造、古代歌謡「おもろさうし」、王朝時代の有名な作家・恩納なべの琉歌、尚王の冊封(ほうさく)の宴で演じた宮古・八重山の組踊、三線・太鼓を打ち鳴らす勇壮なエイサー踊り、各地の祭り、年中行事、そして島の人たちの神の概念についても、その起源と意義を詳しく解説してくれる。
 沖縄伝統の村落共同体の祭りである御嶽(うたき)信仰やノロ(最高位の女性神職者)、ニライ・カナイ(海の彼方にある楽土)信仰などはよく知られているが、もっとも原初的な信仰の島として有名な久高島の祭り・信仰について知りたい人には『日本人の魂の原郷 沖縄久高島』(比嘉康雄著、集英社新書)がおすすめだ。1975年から10年間、久高島に通い続けた著者の精緻な見聞記である。久高島は本島東に位置し、琉球王朝以前のはるか昔の古代祭祀の祖型がいまなお残る島。母性原理が残る女性主体の祭祀、神々の由来、聖地・フボー御嶽、島人の死生観にいたるまでが記されているが、圧巻は12年に一度のイザイホー(神女就任儀式)のルポ。島の祭祀を一番よく知っている女性(ノロの補助者)との幸運な出会いによって、儀式のすべてを見聞できた本書は貴重な学術資料でもある。
 中国、タイ、インドネシアの現地で体験した沖縄との著しい文化の相似性を解説しているのが『沖縄からアジアが見える』(比嘉政夫著、岩波ジュニア新書)。タイで聴いた三弦楽器、インドネシアの音階のことから、獅子舞、ハーリー(舟漕ぎ行事)、沖縄の苗字・門中意識などにみる中国的社会制度の受容、さらに中国渡来人の集落であった那覇市久米村の技能集団の影響についても社会人類学の見地から説明している。
 沖縄の歴史を中国との交流・交易を重点的に、より詳しく書いているのが『沖縄の歴史と旅』(陳舜臣著、PHPエル新書)で、交易立国であったことが浮き彫りにされる。
 アジア全体から沖縄を見て、沖縄は日本とアジアをつなぐ中継点であった、とアジアの海洋アイデンティティーの側面から論じているのが『沖縄入門 アジアをつなぐ海域構想』(浜下武志著、ちくま新書)。ただ、沖縄入門にしては専門的な記述が多い。
 沖縄特有の酒・泡盛のことを知りたい人には、『泡盛はおいしい 沖縄の味を育てる』(富永麻子著、岩波アクティブ新書)がぴったり。泡盛ルポライターの著者が、泡盛の歴史から楽しみ方までを教えてくれ、沖縄県内48カ所の泡盛酒造所を紹介している。
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