ダイオキシン、環境ホルモン、室内危険物質、農薬、医薬品…、現代社会に生きる私たちの周りには、危険な化学物質が溢れている。そのような化学物質にはどのようなものがあり、どのように人体に悪影響を与えるのか、被害にあわないためには、どのようなことを注意すればよいのか。
『検証!くらしの中の化学物質汚染』(河野修一郎著、講談社現代新書)は、ダイオキシン、空中散布される農薬、自動車排気ガス、電磁波、タバコ、室内危険物質、環境ホルモン、残留農薬、医薬品などに含まれる有害物質について詳しく検証し、その危険性に警鐘を鳴らす。読み進めていくと、都会で暮らしていること自体が自殺行為に等しいと感じられる。
では、なぜ、危険な化学物質の規制は遅々として進まないのか。著者は、経済優先の政策をその主犯とみる。たとえば、わが国の排気ガス訴訟の顛末を概観すると、いずれも、排気ガスと健康被害の因果関係を明確にすることなく、和解が成立している。背景には、健康被害との因果関係が立証されては、経済に甚大な影響を及ぼしかねない、という思惑が見え隠れする。排気ガスだけではなく、農薬にしろ医薬品にしろ石油製品にしろ、それで利益を上げている大企業と、そこから献金を受ける政治家や学者たちとの癒着が、有害化学物質が野放しにされている温床と、著者は指摘する。
『危ない化学物質の避け方 : アレルギー・ホルモン攪乱・がんを防ぐ』(渡辺雄二著、ワニのNEW新書)は、自然界には存在しない人間が作り出した化学合成物質が、自然や人体を攪乱し、アレルギーやがんの原因となっている実態を丁寧に追う。近年、症状を訴える人が激増している花粉症やアトピー、喘息、食物アレルギーなどは、微量の化学物質が免疫系を攪乱するために起こっているのだそうだ。1章から5章で、ダニアレルギーを悪化させる排気ガス、子宮内膜症急増や生殖器障害、不妊、セックスレスなどの原因となっている環境ホルモン、遺伝子を攪乱しがんを誘発する化学物質など、人体に悪影響を及ぼしている化学物質について解説し、6章ではアワビの減少や野生動物の生殖異変など、人間以外の生物の異変にも触れる。その上で7章では「ゴミを減らし、化学物質を減らす」ことを提案、8章では「危険な化学物質の避け方」を具体的に提示している。
『ゴミと化学物質』(酒井伸一著、岩波新書)は、ゴミから発生する有害な化学物質に焦点をあてる。ダイオキシン、環境ホルモン、廃棄自動車のシュレッダーダストには、それぞれ1章を割き有害化学物質の現状を明らかにし、それらをコントロールする方策と社会システムについて考える。『室内化学汚染 : シックハウスの常識と対策』(田辺新一著、講談社現代新書)は、「化学物質室内空気汚染」の実態から、シックハウス症候群の症状、被害例、さらには罹患しないために住宅の設計、施行の際に留意すべきことなど、シックハウスについて関連事項をほぼ網羅。シックハウス症候群の原因となる危険性のある建材や接着剤、それが使用される工事の種類などの一覧表もあって、実用的である。『環境ホルモン : 人類の未来は守られるか』(高杉暹、 井口泰泉編、丸善ライブラリー)は、環境ホルモンについて、胎児、新生児、生殖器、脳への環境ホルモンの影響に的を絞って、最近の研究成果を報告。『全網羅食品添加物危険度事典 : 合成・天然物質のすべてをチェック』(渡辺雄二著、ワニのNEW新書)は、文字通り、食品添加物について、用途や人体への影響を解説した事典。
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