テーマで探す新書ガイド 新書マップ BOOK MAP web magazine [ 風 KAZE ]
>>新書マップ検索画面へ戻る
テーマ Theme
テーマ Theme
ダイエット
肥満は成人病の原因のひとつでもある。なぜ太るのか。体脂肪はどういうメカニズムで作られるのか。ダイエットを効果的に健康的にどうすすめていけばいいのかを紹介する。
関連書籍を探す
読書ガイド
 人類は丸くなっているという。肥満人口が世界で11億人、それに対して飢餓人口も11億人だという。近年は肥満者の人口が少しずつ飢餓人口を上回りつつあるようだ。豊かな生活は太る。低所得者にもマクドナルドに代表されるファスト・フードの安価な高カロリー食品には手が届く。ファスト・フードは高脂肪・高蛋白食品であり、太りやすい。南太平洋ミクロネシアのナウル島(人口1万人)ではコンビーフやポテトチップス、アルコールなどの食品が輸入され、野菜と魚中心の食事から欧米型の生活に変わるやいなや、全島民の70パーセント以上が肥満になったという。肥満人口の急増は生活習慣病の原因になり深刻な問題だ。そして、いったん太るとなかなか痩せられないという悩みも深い。ダイエットが成功しないのはなぜか。どこに原因があるのか。
『ダイエットを医学する 人類は丸くなっている?』(蒲原聖可著、中公新書)は、人の遺伝子情報の働きを中心に、「なぜ太るのか」という原因を探る。少し前になるがアメリカ合衆国では肥満者は自己管理能力がない、といわれ差別の対象にされた。しかし1994年の科学誌「ネイチャー」に発表された肥満遺伝子(ob gene)の発見により、肥満は個人の管理能力という問題よりも遺伝子による働きが大きいことが一般に知られるようになった。肥満遺伝子はレプチン遺伝子ともよばれ、この遺伝子がレプチンというホルモンを作り出す。レプチンは食欲を抑える働きがあるのでこれをたくさん投与すれば痩せるはずだが(ラットの実験では体重が激減している)、人間の場合はレプチンが効きにくいようだ。おまけに肥満遺伝子だけで作用するのではなく複数の「肥満関連遺伝子」が相互に関与して体脂肪を調整したりする、という。
 また、ある個人の一生を通しての適切な体重は遺伝的に決められた数値が存在し、それを変えるのはむずかしいようだ。したがってダイエットをして一時的には痩せても、多くの人は何年かするとまた太った状態にリバウンドしてしまう。著者は食事療法と運動療法だけではBMI(ボディ・マス・インデックス)30以上の超肥満者は痩せられないと言う。アメリカでは薬物療法や胃を小さくするなどの外科手術、脂肪吸引などの方法も現実には選択肢として一般的のようだ。本書を読むとダイエットがいかに一筋縄ではいかない問題かが理解できる。
『肥満遺伝子 : 肥満のナゾが解けた!』(蒲原聖可著、ブルーバックス)も前書と同じ著者が書いた肥満のメカニズムを解明する科学書。第1章で肥満の定義や疫学についてふれ、第2章で肥満遺伝子とその産物であるレプチンについて解説し、第3、4章で食欲調整のメカニズムを概観し、第5章以下で肥満の合併症や具体的な肥満治療法とダイエット法を解説する。最後のまとめとして掲げた「ダイエット10ヵ条」(脂肪摂取を控えめに、まず野菜から食べる、よく噛んで食べる、夕食は軽くすます、食事は副食中心にしてごはんを残す、食物繊維を多くとる、運動して痩せようとしない、できるだけ歩く、食べなければ必ず痩せる、オボラクト・ベジタリアンになる、市販の抗肥満薬を試す)に本書のエッセンスがつまっていて面白い。著者は肥満研究の最前線であるアメリカのロックフェラー大学・分子遺伝研究室のフリードマン博士の研究チームに96〜99年まで参加していた医師。本書が日本で氾濫するダイエット本とは一味違う肥満に関する最前線の情報を網羅しているのはそこに秘密がある。
『ご飯を食べてやせる40歳からの減量法』(中村丁次著、講談社+α新書)は、医療現場で食と栄養による病気の予防と治療の方法を確立してきた著者がすすめる減量法。著者は栄養素の知識だけではダメだと思い、一時は陳建民の四川飯店で料理の修業もしたというユニークな医師。ご飯の腹持ちのよさに注目し、三食ともご飯を食べ、野菜と魚を組み合わせた和食中心の日本食が減量の近道であることを記す。
『一日一食断食減量道』(加藤寛一郎著、講談社+α新書)は、一日に一食だけ食べるダイエット法。その一食はどんなにおいしいものを食べてもいいという愉しみがある。著者は痩せては太り、また痩せては太り・・・と何度もリバウンドを繰り返しているが、必ずやれば痩せるという経験から自信をもってダイエットに挑戦している。しかし、意志の強い人にしかできそうもないダイエット法で普通の人には無理のような気がする。
ウインドウを閉じる
<< PAGE TOP