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恐竜
恐竜の姿を復元する最新古生物学、世界各地の博物館がもつ約100種類の骨格化石の写真から最新の恐竜像を紹介する。「足跡」を駆使して迫る恐竜研究の最前線など。
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読書ガイド
 2億年近くにわたって、地球上を支配した史上最大の動物・恐竜。約6500万年前のミステリアスな絶滅とあいまって、多くの人々を魅了してやまない。絶滅の原因は隕石や小惑星が地球に衝突し、気温が急激に低下したためか、それとも隕石衝突とは無縁の長期にわたる気候変動や火山活動によるものか。この20年あまり、古生物の専門家だけではなく、地球物理学者らを巻き込んで、活発な論議が繰り広げられている。ほかにも、恐竜が冷血(変温)動物か、それとも哺乳類などと同じ温血(恒温)動物なのか、骨格の類似した鳥類との進化上の関連はどうかなど、ホットな話題が続き、恐竜ブームは衰えることを知らない。
 恐竜の全容を知る上で、最も適切な本の一つは『恐竜たちの地球』(冨田幸光著、岩波新書)だろう。「世界の恐竜をカラー写真で紹介し、解説を加える」という編集意図に沿って、世界各地の博物館が所有する約100種類の恐竜の骨格化石を、美しいカラー写真で紹介している。ハリウッド映画「ジュラシック・パーク」でお馴染みの「ティラノサウルス」(通称Tレックス)や「トリケラトプス」などの見事な骨格写真を見ることができる。著者は国立科学博物館地学研究部古生物第三研究室長を務める日本の恐竜研究の第一人者だ。
『恐竜たちの地球』ではあまり触れられていない恐竜をめぐる論争を知る好著は『最新恐竜学』(平山廉著、平凡社新書)。「恐竜とは何ものか」の基本的な問いかけから始まり、恐竜の歴史と当時の地球環境を概説しながら、恐竜温血説など論争点に踏み込んでいく。経済学部卒業後に古生物学へと転じた異色の経歴を持つ筆者は、門外漢にもわかりやすい平易な表現で、問題を解きほぐしている。恐竜絶滅の原因については、「小惑星衝突」を認める一方、白亜紀後半に大気中の二酸化炭素濃度減少に伴う気温低下が進み、恐竜の種が減少したことを指摘し、「ゆっくりとした絶滅」であり、「劇的な異変はなかったのではないか」との見方を示している。
『史上最大の恐龍ウルトラサウルス』(平野弘道著、講談社現代新書)は、1979年に発見された推定体長30メートル以上の巨大恐竜ウルトラサウルスを狂言回しにしながら、さまざまな恐竜を紹介している。どの恐竜が一番速かったのか、格闘したら一番強いのは何か。「恐竜ワールドのオリンピック」と題して、特徴的な恐竜種の姿や生態を、楽しく描いている。
『恐竜ハイウェー』(松川正樹著、PHP新書)は、北米大陸の延長700キロメートルの範囲に、化石として残された無数の恐竜の足跡(恐竜ハイウェー)を手がかりに、恐竜の行動や生態を探っている。白亜紀前期の地層である日本の手取層群と中国東北部の延吉層群で、類似した足跡化石を発見し、手取層群と延吉層群が同一河川系で形成された地層であることを明らかにしていく「東アジアの恐竜ハイウェー」探しの過程は、とりわけ興味深い。
 恐竜が「絶滅した大型爬虫類」と認識されるようになって、まだ200年に満たない。恐竜の新種はなお続々と発掘されており、今後も新たな発見と、それに伴う新たな謎が生まれるだろう。
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