日本で1年間に離婚する夫婦は30万組。バブル経済の崩壊と軌を一に、離婚件数は増加している。離婚をめぐって双方の間でとくに問題となるのは「金」と「子ども」。離婚紛争の実情はどうなっているのか。
『離婚の作法 終わりなき男と女の紛争劇』(山口宏著、PHP新書)は、離婚増加の背景から財産分与、慰謝料、子どもの親権まで現代離婚事情を網羅した一冊。著者は、離婚訴訟にも詳しい弁護士で、法廷で繰り広げられるいくつもの紛争劇を目の当たりにしている。それによれば「離婚の申し立ては女性からのものが9割を占め」、「裁判の判決は女性が得をするケースが増えている」という。徒労に終わりがちな離婚訴訟を避け、スムーズに離婚をすすめるための方策を提起する。
『慰謝料法廷:男と女のトラブルファイル』(大堀昭二著、文春新書)も法律紛争の現場を再現しながら、人生模様をかいまみせる。著者は弁護士。
『それでもやり直したい二人のためのマニュアル』(岡野あつこ著、生活人新書)はこうした現状を踏まえ、幸せに生きるために離婚を考える人にエールを送る。自らの離婚経験をベースに離婚カウンセラーをつとめる著者は、「離婚は幸せになるための手段であり、目的ではない。慰謝料が多い、少ないではなく、離婚を決めた本人が幸せになることが大切」と説く。夫婦の危機度チェック・シートなどをもとに、離婚が適切か否かのアドバイスとともに、離婚後の生活の安定についてもフォローする。
2組に1組の夫婦が離婚している米国の離婚事情をもとに、「結婚とは何か」「離婚とは何か」についての科学的分析を試みているのが『結婚の科学』(木下栄造著、文春新書)。米国では国家の社会的・政治的重要問題として恋愛、結婚の研究が行われているが、著者はその研究結果をもとに、離婚を回避するために男と女の心理的相違を明らかにし、夫婦間のトラブル回避のコツなどを紹介する。
一方、離婚に限らず、家族にかかわる問題を法律面からとらえたのが『家族をめぐる法の常識』(二宮周平著、講談社現代新書)。不倫の代償、離婚の経済学、親の介護など家族の問題を法律がどう判断するか興味深い。
異色は『国際結婚《危険な話》』(関陽子著、新書y)。国際結婚が増えるなか、オーバーステイ、文化の違いなどから破綻を迎えるケースも多い。豊富なルポルタージュをもとに、国際結婚に潜む危険を明らかにする。
|