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ゴミとリサイクル
増え続ける廃棄物=ゴミ。ゴミを減らすための様々な試み、打開策、リサイクル、製品設計などについて。また有害産業廃棄物の処理方法について。
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読書ガイド
 ゴミの分別収集も紙のリサイクルも、エコロジーが声高に叫ばれる日本では当然のように考えられつつある。しかし、それは本当に正しいことなのだろうか。「リサイクルをはじめ<循環型社会><持続性のある文明>などの新しいパラダイムは、全体を俯瞰し、統合する理論と思想を伴わなければなりません」と主張する『リサイクル幻想』(武田邦彦著、文春新書)は、安易なリサイクルや環境論者の思いを打ち砕く、驚くべきリサイクル論である。
 単純に言ってしまえば、プラスチックゴミもビンも缶もペットボトルも紙も一般ゴミも分別収集する必要はないという。資源を回収するコストに比べれば、すべていっしょくたに集めて燃やしてしまうほうが電力やエネルギーの節約になるからだと、科学的なデータに基づき証明する。また、資源の極端に少ない日本の国に限定して考えてみると、100年という長いスパンでみれば、その間にゴミを燃やしてつくった人工鉱山から鉄や銅を取り出す技術も生まれてくるだろう、そうすればそれは宝の山に変化する、と著者は記す。
 人工鉱山にはパソコンや携帯電話や電池などに使われた有害物質による環境汚染はたしかに残る。しかし、それは私たちが便利で豊かな生活をする上で使用してきた物質である。その処理や管理にもやはり私たちに責任があり、ある程度の国民的なコンセンサスを得る必要がある、という。循環型社会に突入したからには、企業も今までのような短いサイクルの大量生産、大量消費型の製品を作るのはやめ、私たちもいいものを長くゆっくり使い、時間もゆったり使う生き方にシフトしていこう、と提案する。
 これに対して、『本当のリサイクルがわかる本』(松田美夜子著、ワニのNEW新書)は、確かにリサイクルにはお金がかかるし、そのために資源も使う。けれどもいままで通り焼却処理したほうがいいということになれば、行き詰まった処分場問題はますます深刻になり、資源は大量に使い捨てにされ、日本はいつかゴミに埋もれてしまうのではないか、という著者の危機感から"正しいリサイクルとは何か"を探るために書かれたもの。著者はリサイクルシステム研究家。女性らしいこまやかな視点から、日本をごみの少ない国にするために、私たちがすべきことや循環型社会が日本に定着していくためには、何をどうすればいいのかを考察する。
『リサイクル社会への道』(寄本勝美著、岩波新書)は90年刊『ごみとリサイクル』の全面改訂版。「10年余りの間にごみとリサイクルを取り巻く状況が大きく変化し」、日本におけるゴミとリサイクルをめぐる法制度の状況は劇的に進歩し、リサイクル関連法は今や世界のトップレベルにある、と記されている。いったいなぜ日本はそこまで到達できたのか。本書は一般廃棄物としてのゴミの減量とリサイクルに的を絞って、行政、企業、市民がこれにどう取り組んできたのか、今後、廃棄物ゼロ社会はどうすれば実現できるのかなど、詳細なデータをもとに具体的に描く。
 きれいなイメージのあるIT(情報技術)産業でもゴミ問題は深刻である。20年ほど前にアメリカ合衆国から始まったこの産業は、いまや日本、中国、台湾、韓国、タイ、シンガポールなどアジア各国に猛烈な勢いで広がりつつある。それと同時にIT汚染をも拡大している。『IT汚染』(吉田文和著、岩波新書)はIT産業の環境への影響を冷静に理論的に、しかも徹底的に追究したもの。
 パソコンや携帯電話には毒性の高い化学物質が使われ、飲料水汚染、先天異常、高い流産率、発ガンなどの深刻な社会問題を引き起こしているとする本書によれば、半導体の製造過程での問題点は四つ。1.使用される化学物質の安全性、2.洗浄に使われる有機溶剤やフロンの問題、3.大量の水利用、4.半導体産業の廃棄物の問題。このどれも企業側は実際に対処しきれていない。ITによってもたらされる便利さが、環境汚染を生み出して人間を不幸にしていく矛盾を考えさせられる。
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