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教育改革
教育問題が大きな社会問題となり、教育改革の必要性が叫ばれている。その実態や方向性、問題点など。
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読書ガイド
 どのような子どもをどう育成していくのか。『日本の教育改革』(尾崎ムゲン著、中公新書)では、教育改革が明治以来どんな状況のもとにどう進められてきたかを歴史的に3段階に分けて論ずる。第1は明治期の近代教育の出発、第2は戦後の改革(民主化・大衆化・平等化)、そして第3が1990年代以降進められてきた教育改革だ。
 現代の「教育改革」は2002年度より実施された新学習指導要領を中心に進められている。その骨子は、「詰め込み教育」を是正して、「学習内容の約3割削減」と「学校週五日制」を実施して「ゆとり教育」を行うことであり、「自ら学び自ら考える力」を基本とした「生きる力」の育成を目指している。この「教育改革」について、『教育改革』(藤田英典著、岩波新書)では、日本の教育において重大な岐路になっていると1997年の時点で提言。改革の方向に疑問を投げかける。特に、「公立中高一貫校導入」と「学校週五日制」に関して欧米の教育と比較しながら検討している。
 さらに、『教育改革の幻想』(苅谷剛彦著、ちくま新書)では、今までの詰め込み教育を否定的にとらえるだけでいいのかと、学習時間など具体的なデータをもとに「教育改革」に疑問を投げかける。本書から、「新しい学力観」「学力低下の問題」についても基本理解が得られる。
 この新学習指導要領が、多くの長所を有しながら、教育現場に混乱をもたらした様子は、『現場から見た教育改革』(永山彦三郎著、ちくま新書)で明らかになっている。また、本書では、現場教師の実体験をもとに、学校の問題がそのまま社会の問題だということ、そして子どものヤンキー化(不良化)や東京と地方の地域差といった社会の二極化なども視野に入れている。
『プロ教師の見た教育改革』(諏訪哲二著、ちくま新書)では、「ゆとり教育」や「教育の自由化」など、教育改革にかかわる問題を教育の現場を踏まえて論じている。
 新学習指導要領が実施される直前の2002年1月17日、文部科学省より「学びのすすめ」が出た。これには「確かな学力」「学力向上」が強くうたわれ、もはや「ゆとり」の言葉は見当たらない。『論争・学力崩壊2003』(中井浩一編、中公新書ラクレ)では、この点に言及しつつ、さらに「学力低下」「ゆとり教育」など2002年?2003年の教育改革に関する論争を取り上げている。
 こうした、さまざまな論争がこれからの教育について考える意欲を奮い立たせるのだろうが、『なぜ教育論争は不毛なのか』(苅谷剛彦著、中公新書ラクレ)では、1999年以来の「学力低下論争」の経過をたどり、今後は「ゆとり」か「詰め込みか」を軸とする教育論争だけでは不毛であると、教育の論じ方を変えることを提案する。
 文部科学省は、2003年12月26日、現行の学習指導要領の一部改正を発表した。文科省は、本来の趣旨の徹底のためと説明するが、世論に抗しきれなくなったための軌道修正という印象も否めない。この問題は、さらに論じられるべきだろう。
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