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日本人と英語
英語下手だといわれる日本人。英語の文法理解から感覚や論理の違いなどを明らかにし、英語克服の道を探る。
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読書ガイド
 英語ぐらいは話せないと……日本人は英語にオブセッション(強迫観念)を抱き続けて来た。戦後この方、いつの時代も、まずクリアしなければならない壁として「英語」が立ちはだかってきた現実がある。克服すべき課題と言われ続けて久しいものの、相変わらず日本人は英語が話せない。なぜだろう、いかに勉強すれば良いのか、さまざまな考察がされてきた。新書でも英語に関する本は類を抜いて多いが、その内容も、つきつめれば理由(why)と方法論(how)の二つに集約されよう。
 英語苦手のそもそもの理由を、言語社会学から考察した『日本人はなぜ英語ができないか』(鈴木孝夫著、岩波新書)では、これまでの教養主義的英語教育も、趣味的な英会話も、成果が出ないのは明確な目的がないから、と言う。英語教育も選択制にし、「道具」としての国際交流言語と割り切って学習すべし、と提言する。
 比較文化から読み解いた『日本語が見えると英語も見える』(荒木博之著、中公新書)では、「ふわふわ」や「いじらしい」などファジィで多義的な日本語のメカニズムを分析し、そこから概念的な英語へと思考を切り替える訓練を提言。
 応用言語学者でラジオ英会話の講師も務めた著者の『なぜあなたは英語が話せないのか』(東後勝明著、ちくま新書)は、「コミュニケーションとは何か」から始まり、日本の学校や社会での英語への姿勢を問い、応用編へと続く。
 国際人、英語使いの名手と言われる人はどうやって英語を習得したのかを探った新書も少なくない。『英語達人列伝』(斎藤兆史著、中公新書)は、新渡戸稲造や野口英世など「日本にいながらにして舌をまくほどの英語力」を身に付けた10人の達人を紹介しているが、わが先輩たちからは地に足の付いた国際人の姿が彷佛としてくる。東大で英語を教える著者の瑞々しい感性が光る好著だ。
『英語とわたし』(岩波新書編集部編、岩波新書)は、筑紫哲也や有森裕子など23人の日本人の「体験的英語論」で、こちらもそれぞれのエッセイから人となりがよく見えてくる。企業でビジネス英語を駆使した体験談としては『英語屋さん』(浦出善文著、集英社新書)と、その続編『英語屋さんの虎ノ巻』(集英社新書)がある。英語習得には魔法のようなコツがあるわけではなく、誰もが必要に迫られた状況でいつしか一歩を踏み出していた、といったところか。
 実際の英語学習書としては、ロングセラーの『日本人の英語』『続日本人の英語』(マーク・ピーターセン著、岩波新書)が筆頭に挙げられよう。日本人の苦手とする定冠詞や単数・複数、前置詞など、正誤の例を引きながら分かりやすく解説する。1冊目は英語そのものに絞った中級レベル講座だが、続編の方はハリウッド映画のセリフや字幕訳語の引用も多く、より親しみやすい内容になっている。同じ著者の『英語の壁』(文春新書)はタイトルから想像する内容とは違い、滞日20数年になる著者のプロフィールがよく見えてくるエッセイ集。学生の間違い英語や日本でよく見かける「気持ち悪い英語」など、楽しい読み物となっている。巻末には著者お気に入りのインターネットのサイトも紹介。
 ハンガリー人数学者で大道芸人でもあるピーター・フランクルの『日本人のための英語術』(岩波新書)は、英語を外国語として学んだ著者の体験から英語取得の方法をアドバイス。まずは誰もが一番よく分かっている「自己紹介」から入り、英単語からの連想ゲーム、日記文など、導入と発展の工夫が施されている。
 この他、英語学習本としては、『伝わる英語表現法』(長部三郎著、岩波新書)、『日本人のための英文法』(晴山陽一著、ちくま新書)、『英語・日本人の致命傷』(大内博著、光文社新書)、『英語発音は日本語でできる』(斉藤厚見著、ちくま新書)など数多くあり、日本における相変わらずの英語学習の需要の多さを物語っている。
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