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韓国、韓国人
韓国と韓国人を理解するための韓国論、韓国人論の数々。韓国人はどのような価値観やルールで生きているのか。韓国人の歴史観、日本観、社会システムなど。
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読書ガイド
「近くて遠い国」、有史以前からの交流があり、地理的には一番近くにある隣国韓国は、戦後ずっとそう呼ばれてきた。韓国映画の日本でのヒットや、韓国人タレントの活躍、サッカーワールドカップの共催などで、以前とは比べ物にならないほど親近感を持つようになったとはいえ、見た目にはほとんど変わりのない隣国の人々を、理解不能な異邦人と感じている日本人は多いと思われる。逆もまた同じなのであろう。
 普段はいい加減なのに時として厳格になり、とても感情的で激しやすいかと思えば理屈ばかり言っている…。韓国人と付き合うとその二面性に戸惑うことがある。いったい、韓国とはどのような国で、韓国人とはどのような人々なのであろうか。『韓国は一個の哲学である:<理>と<気>の社会システム』と『韓国人のしくみ : 「理」と「気」で読み解く文化と社会』(いずれも小倉紀藏著、講談社現代新書)は、そのような疑問を抱く人に、うってつけの2冊である。内容の真偽を書評子に判断する能力はないが、なるほど韓国と韓国人の在り方が理解できたと、思わせてくれる。何にせよ、読み物として痛快である。サブタイトルにもあるように、両著は韓国・韓国人を「理と気」で読み解く試みである。理気は朱子によって集大成された朱子学の術語である。それを単純化して小倉は「理」を道徳性(倫理、道徳、理論、真理など)、「気」を物質・身体性(肉体、欲望、本能、感情など)とし、その仕組みを知れば、韓国人は理解できる、というのである。人間は理と気でできていて、性善説に立つ朱子学では人間はみな完璧な理を持つが、気が濁ることで理も曇る。理がクリアな人がよい人で、曇っている人はだめな人である。そして、韓国人は何よりも「理」を重視する道徳志向性が強い(道徳的ということではない)人々である。理は真理であり規範であり、理を多く持ったものが権力と富を得、理の多寡で人間の序列が一元的につけられるのが韓国社会であるという。
 では、一見二面性と見える韓国人の特徴はどのように説明されるのか。小倉は、たとえば、「いい加減」や「激情」は気の世界のできごとであり「厳格」や「理屈」は「理」の世界のそれである、とする。つまり、「理」が強くでてくる場面では厳格で理屈を重視する人が、「気」の世界でリラックスしているときは感情的でいい加減になると、説明する。あるいは、「理」を闘わせている支配層のエリートは厳格で理論的な傾向がより強く、「気」の世界に遊ぶ庶民はその反対である、とも。他民族には二面性に見える性向も、実はこのような整合性を持っているというのである。『韓国は一個の哲学である』では、その理論を説明し、『韓国人のしくみ』では、なぜ、金大中と対面した金正日が、一瞬のうちに韓国で人気を得たかなど具体的な事象を、「理気」で説明している。
『韓国人とつきあう法』(大崎正瑠著、ちくま新書)は、日韓の違いを考察した上で、実践的な付き合い方を語る。著者は、日韓では民族性に大きな違いがあるのに、互いがそれを認識していないことと、互いが相手に優越感を持っていることを悲劇と指摘した上で、その違いを説明していく。たとえば--<韓国が儒教(朱子学)を要とした宗教国家であるのに対し、日本は宗教が人々の行動の規範となっていない点で無宗教国家である><韓国では孝を重視し、日本では忠が重視される。仕事のために親の死に目に会わないということは、韓国では考えられない>。後半では、この違いを踏まえての韓国人との付き合い方を、言葉遣いと行動様式の両面から懇切丁寧に解説している。
『病としての韓国ナショナリズム』(伊東順子著、新書y)は、11年間を外国人労働者として韓国で暮らした著者が垣間見た、ナショナリズムが噴出した様々な事件を報告する。白人を見たら国籍も確認せずに「ヤンキー・ゴー・ホーム」と叫んだり、ハングルへ強い愛着をしめしたりする面白いエピソードに溢れているが、その背景についての考察は、日本人の視点に定位した批判に終始し、やや一方的である。
『韓国人の歴史観』(黒田勝弘著、文春新書)は、韓国の歴史観を批判した書である。著者は、「韓国における反日感情の基本は日本に対する民族的コンプレックスである」とし、韓国の歴史観を作られた「対日抵抗史観」、過去の植民地支配に対する日本の反省と謝罪を「贖罪史観」と批判した上で、「反省と謝罪」ではなく、植民地として日本に協力した韓国に対し「感謝と慰労」の視点を持ち込むことの重要性を主張している。著者の主張は日本の保守勢力に根強くある価値観を反映したものだが、こうした言説には強い反発も予想される。
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