次々に新しい経営理論やら経営手法が登場するたびに、多くの経営者やビジネスマンが振り回される。しかし、ビジネスの本質などそうそう変わるものではないはずだ。
『最強の経営学』(島田隆著、講談社現代新書)は経営の「考えるベーシックス」を整理し、コンパクトにまとめた一冊である。構成は非常にシンプルだ。最初に経営戦略の根幹に関わる「情報の四段階」をおさえた上で、企業経営に必要な「四つのレバー」について解説を加えていく。これらの基本を身に付けておけば、新しい経営理論が出てきても自分なりに整理し、位置づけ、道具として使いこなすことができるという。
『会社を変える戦略』(山本真司著、講談社現代新書)はさまざまな経営理論とその正しい使い方をビジネスストーリーの形式で描く。舞台設定はアメリカの、日系人の創業者によって発展を遂げたスーパーである。成長とともに組織が巨大化、複雑化したこの会社のマネジメントは、もはや叩き上げの経営者では難しくなりつつあった。株主からの圧力もあり、創業者は外部から新たなプロ経営者を招き、全社改革へと踏み切る。
このストーリーの中にSCMやBPR、CRM、あるいはコーポレート・ガバナンスといった経営手法や理論が巧みに織り込まれ、それらを会社変革の有用なツールとしていかに使うかが具体的に提示されている
10年ほどの時間軸の中でストーリーは展開されていて、それぞれの手法や理論が出てきた時代的背景や関連もわかる。グローバル・スタンダード経営と称されたアメリカン・キャピタリズムの危険性と、標準経営を脱し差別化競争に立ち向かう「マイ・スタンダード経営」を確立する重要性についても詳しい。
『知識経営のすすめ』(野中郁次郎、紺野登著、ちくま新書)は、従来の有形資源や資産ではなく、無形の知識こそが価値の源泉と位置づける「知識経営」について、基本的な考え方や方法論、実際に現場で行われている取り組みとともに、陥りがちな落とし穴が論じられている。
『企業遺伝子』(野口吉昭著、PHP新書)は、企業哲学や文化、社風といった、個々の社員が行動する際の価値基準となる「企業遺伝子」のマネジメントをテーマとした一冊。経営理念と経営戦略を統合し、現場に浸透させるとともに、現場の問題意識を全社で共有することの重要性とその方法が述べられている。
起業から株式公開、倒産、そして再建まですべてを体験した著者が、その経験から導き出した経営改革手法を紹介しているのが『潰れない会社にするための12講座』(吉岡憲章著、中公新書ラクレ)。
『経営倫理学のすすめ』(水谷雅一著、丸善ライブラリー)は70年代後半のアメリカで確立された経営倫理学の入門書である。
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