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現代中国政治
ポスト江沢民時代の超大国中国の姿、中国を動かす政治権力中枢の内幕、改革・開放路線の鄧小平時代の行方など。
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読書ガイド
 中国の現代政治をウォッチする際に、最も具体的な指標となるのが、「鄧小平以前か、鄧小平以後か」という見方である。改革・開放路線を進めた鄧小平は、一国二制度、つまり「社会主義資本経済」を定着させた。その後、江沢民前総書記、胡錦濤総書記と続く10年の中国経済の快進撃を見れば、その路線が間違いでなかったことは明らかだろう。
『中国改革最前線』(天児慧著、岩波新書)は、鄧小平が現代中国政治でいかに後世に「布石」を置き、改革・開放路線を進めてきたかを解き明かしている。
 ポスト鄧小平として、80年代後半まで無名だった江沢民が、その後総書記に躍り出た原因を、『江沢民の中国』(朱建栄著、中公新書)では、鄧小平の改革・開放路線の継承に最も適した「無為」の人材だったこととしている。中国では必ずしも有能ではない「無為」の指導者が歴史的に就任してきた理由が書かれ、中国政治を内側から見てきた著者の分析がなされている。
 その意味で、『鄧小平の遺産』(田畑光永著、岩波新書)は、文化大革命以後、三度の失脚を経て「脱毛沢東」路線を敷くまでの用意周到な政治手法に触れている。鄧小平がプラス面の政策を行う一方で、形骸化した土地の公有化や「南巡講話」以降の政治官僚腐敗の伏線まで作ってしまった鄧小平のマイナス面の遺産をも生んだ経緯も記している。
 江沢民はいま、どちらかというと中国国民には不人気な政治家だが、90年代後半、「ライバル関係」だった江総書記と台湾の李登輝のそれぞれの生い立ちと人物像を通して、中台衝突と和解統一の可能性に言及しているのが、『一つの中国一つの台湾』(楊中美著、講談社+α新書)。同書は李登輝が語った「特殊な国と国との関係」の言葉を冒頭に引用しながら、今後の二国関係を説くが、2004年3月に国民党から総統候補に立候補した連戦が実は「反日的」で、江沢民と水面下で相通じていたなど、知られざるエピソードが光っている。
 現在の胡錦濤が総書記に就任している中国の国家体制のキーワードの一つは、「若返り」である。『中国の権力システム』(矢吹晋著、平凡社新書)は、鄧小平が推進した「四化」、すなわち、「革命化、若返り、知識化、専門化」が進められ、彼の執政時代に中央政治局の委員を8歳以上も若返らせた経緯を紹介し、その上で中国の権力構造は、テクノクラート化が進められた幹部人事にあるとして、具体的な幹部の名を挙げて権力システムを解き明かす。
 中国の権力構造を分析する上でもう一つ見逃せないのが、軍部の力であるが、『中国の軍事力』(平松茂雄著、文春新書)は、中国軍事・外交分野の日本の第一人者である著者が、膨張する中国軍の背景と同時に、鄧小平、江沢民といった統治者がいかに軍部の権力掌握に力を注いだかを述べている。とりわけ江沢民は湾岸戦争以降、ハイテク兵器を使用した局地戦争に注力し、中央軍事委員会でも「神格化」の試みが行われていたという。日本を「軍事大国」と批判する中国の軍事力の脅威は依然として健在である。
 ポスト江沢民の胡錦濤総書記以下、「第四代、第五代、第六代」の若手世代のうち、アメリカを中心に世界各国から留学して帰国した人間たちは「海亀派」と呼ばれているが、今後10年間はその世代がいかに社会民主主義の政治に行き着くかがカギとなる。
『中国 第三の革命』(朱建栄著、中公新書)は、中国の国内の政治経済や国際関係における今後のメガトレンドを大胆に予測し、日中関係においても、90年代後半から「反日」的な中国の歴史認識が繰り広げられ、日本の「反中」意識が激化したのも、日中関係の新たな「第二段階」として、将来に希望を託して描いている。
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