レトリックは修辞、美辞、巧言などと日本語に訳される。説得力のある演説をしたり、論文を書いたりするには、レトリックが重要である。『論証のレトリック』は、事柄の利害や善悪、正と不正を見分け、説得に役立つレトリックと、筋道だった議論の仕方を身につける「技術」を教示する実践的な書。
レトリックとは何か。『レトリックと認識』は、人間の認識活動に注目し、日本人は歴史を川の流れに喩え、西洋人はそれを構築物に喩えるなど、レトリックの認識論的本質をまず捉え直し、時間・身体空間・詩・恋愛の世界や日本人独自の発想を考える。『中国的レトリックの伝統』は、古くは「建安七子」の一人で悪口のレトリックの名手・陳琳や杜甫以前の中国最大の詩人曹植、毛沢東のレトリックから、中国人独特の思考とその生き方を、探る。
佐藤信夫はレトリックについて多くの作品を書いている。『わざとらしさのレトリック』は、漱石、小林秀雄、井上ひさしらの散文表現を素材に、言語理論を展開、『レトリック認識』は、黙説、転喩、逆説、反語、暗示などレトリックの具体例を通し、論理と文法の手にあまる言語表現の多彩な機能を検討し、言語メカニズムの可能性を探る。他に『レトリック感覚』『レトリックの記号論』も。
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