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台湾問題とは何か
政治、経済、文化、国民性について幅広く紹介したものや歴史に焦点をあてたもの。中国との関係、李登輝についてなど。
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読書ガイド
 日本に近い国、台湾。あなたが台湾について知っていることを話してください、といわれて戸惑う人は多いだろう。台湾問題とは何か、ということについても漠然と「台湾と中国とのねじれた関係?」くらいの知識しかない日本人が案外多いのではないか。
 そこでまず台湾について初歩の初歩からガイドしてくれるのが『知っていそうで知らない台湾』(杉江弘充著、平凡社新書)である。2001年8月刊の本書は台湾の歴史から政治、経済、国民性まで最新の情報でレポートする。著者は97年から99年まで産経新聞台北特派員。実際に台湾に腰を落ち着けてじっくり台湾問題を見つめている。<第1章 台湾社会の七不思議、第2章 選挙はお祭りだ!、第3章 李登輝時代から陳水扁時代へ、第4章 台湾と中国の複雑な関係、第5章 日本を嫌わない台湾?、第6章 これからの台湾>まで全6章に台湾社会の歴史と問題がコンパクトにまとめられている。誇り高く、元気一杯に生き抜く台湾人たちを冷静かつ温かい視線でいきいきと描き出している。
 同様の視点で書かれているのが『台湾革命』(柳本通彦著、集英社新書、0060A)。台湾在住14年の日本人ジャーナリストが見つめつづけた台湾に生きる人々の真情とその現代史だ。映画「悲情城市」の衝撃など台湾の現在を描く。また、台湾生まれで名古屋大学教授の経済学者、凃照彦が書いた『台湾の選択』(平凡社新書)は、ラディカルな台湾論。
 台湾の歴史をじっくりと知るための手引きとしては、『台湾--変容し躊躇するアイデンティティ』(若林正丈著、ちくま新書)がある。「台湾が本格的に世界史に登場するのが、中国大陸からの漢民族の移民が活発になりはじめた十七世紀」という記述にみられるように、台湾400年の歴史を知的なイメージで描き、読み応えがある。
 <「陸のアジア」と「海のアジア」の「気圧の谷」が短い歴史的時間の中で往還していった台湾島、その濃密な歴史の回顧を試みた>という著者の言葉は本書の内容の深さをあらわす。同様に歴史的視点に重点をおいて台湾問題を紹介したものに、『台湾--四百年の歴史と展望』(伊藤潔著、中公新書)と『台湾--人間・歴史・心性』(戴國煇著、岩波新書)があるが、どちらもかなり前に出版されたものなので新しい歴史を知りたい人にはもの足りないかもしれない。
 最後に中国と台湾が生み出した強烈な個性を持つ二人の政治家について書いた『一つの中国一つの台湾 --江沢民vs李登輝』(楊中美著、講談社+α新書)をあげておきたい。12億人のトップに君臨する紅い中華皇帝江沢民と総統引退後も台湾政局に隠然たる力を持つ李登輝の台湾をめぐる闘い。「中国と台湾は国と国との関係だ」という「二国論」を打ち出し大陸からの独立を譲らない李登輝。一方江沢民はあくまでも台湾は中国の一部であるとして断固として独立は許さない。本書は政治の視点からの台湾論であるが、生身の人間として失敗も成功もある二人の政治家の全体像を描き興味深い。
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