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大学改革
日本の大学のこれから、受験戦争、大学を筆頭とする教育界全体のこれからを考える。
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読書ガイド
 大学が危ない──こう言われて久しいが、大学関係者でないかぎり、切羽詰まった危機感は感じられないだろう。「大学改革」に関しての新書は多いが、大きく分けて、当事者である教育関係者からの証言と、マスコミなど外部からの報告の2種類がある。
 一般読者向けには、新聞社の社会部教育担当記者が書いた『大学サバイバル』(古沢由紀子著、集英社新書)が読みやすい。足で取材した現場の臨場感にあふれ、ここ数年の大学内部の激変ぶりがまざまざと伝わってくる。少子化に伴う定員割れ、廃校・撤退に追い込まれる短大、ゆとり教育による学力低下の実態、生き残りを賭けた学生獲得ぶり、実学志向や大衆化に合わせたカリキュラム、その一方で国際競争に取り残される日本の大学、そして政府主導の構造改革の嵐に巻き込まれた国公立大学……大学もここまで来ているのかと、その実情には誰もがショックを受けるだろう。
 ひと昔前までの大学観はすでに現場では通用しない時代に来ている。『潰れる大学、潰れない大学』(読売新聞大阪本社編、中公新書ラクレ)は、新聞社が主体となって行った大学改革シンポジウムやアンケート、連載記事をもとにまとめた1冊。大阪本社編ということから、とくに関西以西の国公立や私立大学が直面している現実がよく浮かび上がっている。
 1990年出版の『大学淘汰の時代』(喜多村和之著、中公新書)では、大学の淘汰は今に始まったことではないと欧米の歴史を振り返り、「消費社会の教育」にいち早く着手したアメリカの大学事情が紹介されている。まだ他人事だと思っていたその時から12年を経て、同じ著者が書いた『大学は生まれ変われるか』(喜多村和之著、中公新書)では、日本の大学で浮上してきた「大学評価」をめぐる是非論が展開される。
 2001年に文部科学省が打ち出した大学構造改革(いわゆる「遠山プラン」)では、もはや国立大学も聖域ではないことが示され大学関係者の間に激震が走った。その中でも国際競争に打ち勝つための「トップ30校育成案」に大学側は大いに慌てることになった。だが、一口に大学評価やランキングと言っても、誰がどのような基準で何を評価するのか、質はどう数値化できるか、その信頼性は、大学側の情報公開はと、さまざまな問題がある。著者は安易なランキングには批判的だが、自己改革に腰を上げようとしない旧態依然の大学にも苦言を呈する。今や日本の大学も、インターネット世界授業を行うまでのグローバル化の波にどう太刀打ちするか、厳しい国際競争にさらされている。
 大学改革に賛成の手を挙げているのは、やはり「勝ち組」と言われるエリート校だが、当事者である学長や学部長たちの危機感と行動力こそが、実際の取り組みにつながる。『大学はどこへ行く』(石弘光著、講談社現代新書)の著者は一橋大学学長、『教育改革論』(加藤寛著、丸善ライブラリー)の著者は慶應義塾大学湘南藤沢校(SFC)を立ち上げた。前者は大学の独立行政法人化に関わる当事者だが、制度改革のみならず大学側の意識改革も促す。後者では情報化時代を先取りした大学側の取り組みが紹介されている。また、『「勝ち組」大学ランキング』(中井浩一著、中公新書ラクレ)では東大教養学部の改革の実際がドキュメンタリーふうに綴られている。
 この他に大学危機を論じた本としては、大学教授が大学の学力崩壊の実態を描いた『大学生の学力を診断する』(戸瀬信之、西村和雄著、岩波新書)、大手塾の立場から大学を批判した『悪問だらけの大学入試』(丹波健夫著、集英社新書)がある。
 アメリカのロースクールをモデルとして2004年開学の法科大学院を論じた『法科大学院』(山田剛志著、平凡社新書)、注目を浴びつつある社会人大学院の実際を紹介した『社会人大学院で何を学ぶか』(山田礼子著、岩波アクティブ新書)は、日本社会の変化を語っている。
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