内容
パワハラは「観客のいる前」で行なわれる。善人を装ったサディストは、苦しむ部下を見るのが快感なのだ。 社会学者がパワハラをやめられない人、いつもパワハラされる人を解説する。 パワハラをする人は、子供の頃に抑圧されて悔しかった思いを、大人になって弱い立場の相手にぶつけている。本人も気づいていないうちに、積年の恨みを晴らし、心の傷を癒しているのだ。人生に行き詰まり、攻撃する以外に生きていけない人なのである。 では、パワハラされるほうは問題ないのか。「弱さはずるさに鈍感であり、ずるさは弱さに敏感である」と言われる。つまり、パワハラをされる弱い人は、いい人か、いい人を装うサディストかを見分けられず、パワハラをする人は、長年抱える不満をぶつけられる相手を見つけるのに長けている。だから、うまくパワハラが成立してしまうというわけだ。本書では、さらに彼らの精神構造を深く考察する。
目次
第1章 なぜパワハラはなくならないのか?
日本社会におけるパワハラの現状
人間関係のトラブルの原因
第2章 パワハラする人はこうして生み出される
死を愛することはやさしいが、生を愛することは難しい
「衰退の症候群」という病に侵された日本社会 ほか
第3章 負のループから抜け出せない人の悲しい事情
なぜ過労死するまで頑張ってしまうのか?
パワハラする以外に生きられない人 ほか
第4章 真の自己に向き合い、自分の人生を生きるには
人は死に物狂いで不幸にしがみつく
自分の現実を受け入れる ほか