谷口研語著
中央公論社, 1994, iii, 264p., (中公新書 ; 1213)
ISBN: 新<9784121012135>, 旧<4121012135>
干戈轟く群雄割拠の時代、朝廷最高の官職の家柄に生まれた近衛前久は、抗争渦巻く武家社会に身を投じて、上杉謙信とは盟約を結んで関東に下り、織田信長とはその意を受けて石山本願寺との講和に貢献し、豊臣秀吉とはその関白就任にあたって自分の猶子とし、家康とは叙任、徳川改称について朝廷に斡旋するなど、公家でありながら、武家に伍して天下統一の大事業に挑んだ人物であった。 公家社会最高権門の行動に時代の大転換をみる。
序章 天下一統世代の誕生
第1章 戦国時代(上杉謙信との盟約;関東の関白;足利義昭との確執)
第2章 織田時代(織田信長との親交;信長の覇業と前久;転機となった天正十年)
第3章 豊臣時代(徳川家康を頼る;羽柴秀吉の関白就任;子息信尹の薩摩配流)
終章 天下一統の完成