長いこと日本は貧富の差が少ない平等な社会だといわれてきた。近年それはいきすぎた「悪平等」と批判され、経済的停滞の理由のひとつとされた。競争原理の導入は成長の動機づけであると同時に、格差の拡大を目指す。しかし本当に貧富の差は小さいのか、平等な社会なのか、検討してみる必要がある。
ほとんどの人が自分は中流であるという意識をもっていた時代は終わり、今や「格差が拡大している」と多くの日本人が感じている。それは経済格差だけにとどまらず、“上流・下流”という言葉に表されるような社会的格差にもわたっている。富裕層と貧困層に二極化していく社会がもつ問題とは。格差や不平等化が進む日本のゆくえを考える。
70年代の終わりから日本は高度消費社会――選択的消費が支出の半分以上を占める――になったといわれる。しかし、日本から貧困がなくなったわけではない。とりわけ長期不況のもとで職も住まいも失った人はホームレスとなり福祉の手すら差し伸べられない。また東南アジアやアフリカ、中南米、東欧などに目を転じると、貧困の存在は明らかである。貧困は過去の話ではない。
バブル崩壊以降、長期にわたって低迷が続く日本経済。低下する国際競争力、消費増税、日銀による国債の引き受けなどが引き起こす「低成長」「低所得」「低物価」「低金利」「低意欲」「低モラル」に蝕まれる日本社会のゆくえ。
税金の基礎知識、仕組み、歴史、現行税制の問題点、「公平・中立・簡素」という租税原則の作り方、源泉徴収など納税システムの歴史的経緯など。
1991年初頭以来10年以上におよぶ不況は巨額の不良債権、雇用不安を抱えたまま未だ出口を見出していない。デフレ型の世界同時不況による日本経済の停滞、平成不況の特色、再生への道筋など、解決の糸口を探る。
以前より危機的状況にあると指摘されながら、景気対策とのジレンマに揺れる日本の財政政策。財政再建と景気対策の両立にはばらまき型の公共事業を見直し、生活者のニーズを汲み上げた施策の実施が必要である。
明治新政府による遷都により名実ともに日本の首都となり、今や世界有数の国際都市に変貌を遂げた東京。東京とは何か、その魅力、都市計画、文化論など東京論の数々。
給付切り下げや支給開始年齢の引き上げなど変化しつづける不安定な年金の実態、確定拠出年金(日本版401k)とは何か。年金の仕組みの初歩から全体像の解説まで、企業年金などについて。
年俸制や業績給、専門職制や契約雇用制、雇用流動化時代の労働行政とは?日本型雇用システムは「市場指向型」「流動型」に変化していくのか、などについて。