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ハンディキャップ
身体や知能にハンディキャップを持って生まれたり、生まれた後に持つことになった人々は、さまざまな困難と向き合って生活している。ハンディキャップを持った人々が、より困難の少ない生活を送るために、社会には何が必要か。
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読書ガイド
『障害者は、いま』(大野智也著、岩波新書)は、ラジオ番組制作を通して障害者問題と関わってきた著者が、障害者福祉、教育、雇用などの現状と課題を具体的に語る。第1章「障害とは、障害者とは」で、<人口に対する障害者の割合が小さい国ほど、障害者福祉が遅れている。障害者の定義を狭くすることで、福祉予算を少なくする傾向があるためで、日本は非常に「障害者」が少ない国である><障害は一次的な機能障害に二次的な能力低下、三次的な社会的不利が加わったもので、社会が生み出しているものだ>という指摘は、障害者の問題を社会の問題と捉える上で、とても重要な指摘である。こうした問題意識を前提に、著者は、「理解よりもふれあいを」と訴え、障害者が働ける場所を多くすることや、街の中で生きていけることの重要性を強調する。どの主張も、障害者とその家族、福祉関係者らが長い間実践してきた活動や運動の具体的な報告が伴っていて、説得力を持つ。
『ハンディキャップ論』(佐藤幹夫著、新書y)は、脳性マヒの弟を持ち、養護学校教員として20年の実践を積んだ著者による。著者は、養護学校での体験や、脳性マヒの障害を持ち社会の壁と闘いながら養護学校から北大、東大大学院と進み政治評論家となった櫻田淳のこと、ダウン症の娘を持つ最首悟の著書『星子が居る』などを題材に、障害とは何か、障害者と関わるということはどういうことか、といったことを粘り強く言葉を重ねて考察する。障害者が生きていくことには困難がつきまとい、何が障害者にとって本当によいことなのかということは、簡単に結論できる問題ではない。非障害者にとっては「あたりまえ」でも、障害者にはあたりまえではないことがある。どちらが正しいという問題ではなく、別の世界、別の見方がある、ということを言うために、さらに、「障害は個性」という美しい言葉に隠された、障害者に対するある種の役割の押し付けや「正論」の空々しさ、正論を語ることの難しさを伝えるため、著者は慎重に言葉を重ねている。
『障害児と教育』(茂木俊彦著、岩波新書)は、障害児教育の研究者が、非障害児にとってそうであるのと全く同じように、障害児にとっても教育が大切なことを、具体的に説明する。著者は、障害は固定のものではなく、どの子も発達の過程にあることを、数々の実例から示し、「障害」や「できないこと」ばかりを注視する障害者への社会の視線や、それを前提とした社会のシステムに異議を申し立て、社会的不利のために機能障害が拡大再生産されている実態を指摘する。著者が強調するのは、教育や訓練により、障害は軽減できる、という事実である。著者は、「障害」は社会が貼ったレッテルとする「障害不在論」や障害を個性とする「障害個性論」に疑問を投げかけ、自らの立場を、障害の早期発見・早期療育に努め、障害の軽減をはかることを重視する「発達保障論」と位置づけている。
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