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知的財産権
企業戦略として特許を活用することのケーススタディ。特許の基本的知識から国際特許戦争の舞台裏まで、21世紀経済戦略の新しい局面について。経営資源としての知的財産を評価する会計方法など。
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読書ガイド
 特許権や著作権など知的財産権への関心が高まって久しいが、その背景や企業の現場の実態はかなり複雑で、一般への理解はさほど深まっていない。企業にとって特許権がどれほど重要な意味を持ち、どのような扱いがなされているのか。『キヤノン特許部隊』(丸島儀一著 光文社新書)は40年にわたり特許畑一筋に歩いてきた元キヤノン専務が自身のビジネス体験と、日本企業を取り巻く知的財産戦略の課題について持論を展開している。
 かつてカメラ専業メーカーだったキヤノンは、1968年にゼロックスが特許を持ち市場を独占していた複写機を別方式で開発し、産業界を驚嘆させた。
 これを特許面から支えたのが丸島氏で、その後も開発部門が生み出す技術を特許で守り、逆に特許でライバルを攻めるという特許戦略を担い、キヤノンの急成長に貢献した。
 本書では新技術を特許化する過程や特許をめぐる企業間の激しい攻防、交渉の様子などの体験が語られており、特許部門の現場や具体的な仕事の内容がよくわかる。
『プロパテント・ウォーズ』(文春新書 上山明博著)は、特許制度の誕生からアメリカが打ち出したプロパテント(特許重視)政策まで、特許という排他的独占権の全体像を描く。
 もともと後進国が先進技術を導入するための制度だった特許が、工業先進国が技術的優位を将来も維持しつづけるための制度へと変貌する過程や、特許と独占禁止法の相反する関係、特許の社会的役割から見た米プロパテント政策の問題点など、現在の特許をめぐる状況が大局的な視点から解説されている。
 とくに産業政策上の都合を優先するあまり、化学物質そのものやバイオテクノロジーで生まれた生物、一種のアルゴリズム(計算方法)であるソフトウェアに特許や著作権を認めている現状は、大きな問題をはらんでいることがよくわかる。
 基礎科学に特許を認めるとどのような問題が発生するのか。1980年代、画期的な数学の解法を発見した天才数学者、カーマーカーとAT&Tベル研究所はこれを特許として申請。数学界、産業界、法曹界、コンピューター業界を巻き込む一大事件へと発展した。『カーマーカー特許とソフトウェア』(今野浩著 中公新書)はこの事件に関する批判的な立場からの記録である。
 従来ならば特許にならなかったであろう数学の解法が特許として認められた背景や、AT&Tが行った無茶な特許戦略は、現在の特許重視の流れが研究開発や産業、ひいては社会の発展を阻害する危険性を示している。
『マルチメディアと著作権』(中山信弘著 岩波新書)、『著作権の考え方』(岡本薫著 岩波新書)はパソコンやインターネット等の普及で、従来の枠組みでは捉えきれなくなった著作権の問題を解説。『知的財産会計』(二村隆章、岸宣仁著 文春新書)は企業の知的財産を企業会計とビジネスの観点からまとめた入門書。『勝手に使うな! 知的所有権のトンデモ話』(稲森謙太郎著 講談社+α新書)は「天才サザエボン」の消滅やにせたまごっち事件など、知的財産をめぐる事件集である。
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