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IT社会
パソコン、携帯電話など安価な情報機器と情報ネットワークの構築により実現したIT社会は、人間の社会をどのように変化させていくのか。
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読書ガイド
 パソコン、携帯電話、インターネットの出現により、生活は随分変わった、というのは、現代人が共有している実感である。 が、その日常生活に起こっているその変化は、いったい、私たちの社会を、たとえば経済のシステムや情報の流れを、どこまで変化させるのか、それによって、社会や人間はどのように変化していくのか、それをはっきりと見通すことは難しい。IT普及により21世紀の社会は「革命」的に変化すると予測する人がいる一方で、「IT革命」など虚妄であり嘘だと断言する学者もいるのである。
 前者の代表は『IT革命:ネット社会のゆくえ』(西垣通著、岩波新書)である。安価な情報ツールとインターネットによって、実現されるIT社会は、産業革命に匹敵する革命であり、その正体はマスメディアによる情報の一方通行から双方向のネットワークメディアへの転換によってもたらされる「情報の共有」である。結果、流通システムが大きく変化するとともに、マスメディアによる情報の支配が崩壊すると予測する。それにより、私たちの欲望、価値観、思考方法なども変容する。その変化は、産業革命が工業製品の普及と交通手段の発展により封建社会から市民社会への移行の原動力となったように、現在の社会の基盤を大きく動揺させ、家族や地域社会の関係も変わらざるを得ない、というのが著者の未来予想図である。
 同じ立場から、『「情報人」のすすめ』(柴山哲也著、集英社新書)は、情報ツールを使いこなすことを指南し、『IT文明論:いまこそ基本から考える』(玉置彰宏、浜田淳司著、平凡社新書)は、情報技術を考える「冷静な視点」を提供する。
 逆に、IT革命など幻想であり、社会が激変することなどない、と予測する学者も少なくない。その急先鋒である『IT革命? そんなものはない』(柳沢賢一郎、東谷暁著、新書y)は、電子商取引が当初の期待通りには広がっていない現状やIT関連企業の失速などを例に挙げ、過剰な期待はミスリードと警告する。ITが流通システムを大転換させるというのは幻想であり、情報技術(IT)では生産性があがらず、IT革命は経済を拡大ではなく縮小に向かわせる、というのが、同書の結論である。経済システムについての言及がおもで、西垣の指摘する、マスメディアの情報支配の崩壊がもたらす変化についての言及はない。
『IT革命の虚妄』(森谷正規著、文春新書)も過大評価禁物派である。通信技術の飛躍的進歩がもたらす社会への影響を評価しながらも、産業革命に匹敵するといった過大評価や、ITさえ浸透すれば社会はばら色になるといった能天気な思い込みを、冷静に批判している。著者はITはツールに過ぎず、それを生かせるかどうかは、今後の人間の問題、と指摘している。
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