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韓国の社会と文化
韓国人にとっての美人とは、朝鮮半島の食と酒、歌など、朝鮮半島の社会と文化を解説する。
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読書ガイド
 サッカーワールドカップの日韓共催、社会現象にもなった「冬ソナ」をはじめとする韓流ブームなど、20年ほど前までは近くて遠い国と言われていたのが嘘のように、韓国は隣国にふさわしく身近な国となった。おかげで、キムチと焼肉と38度線ぐらいしか知らなかった隣国についての知識が随分増えた人も多いと思う。が、もちろん、まだまだ、知らないことばかりだ。もう少し知りたい。そこで、韓国の社会や文化を取り上げた新書を紹介しよう。
 まず、韓国のことはほとんど知らないという初級者にお勧めなのが『韓国の日常世界:生活・社会・文化の基礎知識』(任栄哲《イム・ヨンチョル》著、ベスト新書)である。韓国の大学生に日本語や日本文化を教える著者が、韓国人の思想や行動などを理解するうえで必須であると考える、生活、社会、文化、精神世界、自然環境などの230項目について、説明した参考書だ。キムチやプルコギといった食べ物から、伝統文化、現代の風俗、政治システム、社会システム、名所旧跡、歴史的人物など基礎知識が網羅されている。ちょっと韓国に詳しい人でも「へー」と目を瞠る情報も満載だ。例えば、韓国はインターネット普及率世界一、韓国にもお中元とお歳暮に似た贈答の習慣がある、韓国でも熟年離婚率が増加しており、出生率は日本より低く政府は少子化対策に躍起になっている――などなど。外見は見分けがつかないほどよく似ているけれど、熱くて激しい国民性は随分違う韓国の社会と文化に、日本との共通点や相違点を探すのも楽しい。
 韓国ドラマが好きでソウルでビビンバを食べたことがあるくらいの中級者には、『韓国美人事情』(川島淳子著、新書y)、『朝鮮半島の食と酒:儒教文化が育んだ民族の伝統』(鄭大聲著、中公新書)、『コリアの不思議世界:朝鮮文化史27話』(野崎充彦著、平凡社新書)の3冊をお勧めしたい。
『韓国美人事情』は、夫の転勤でソウルに住むことになったフリーライターが、「どうして韓国には美人が多いの?」という素朴な疑問を追究した、なかなかに面白い新書である。そのようなことに結論や答えがあるはずもないが、著者は、韓国の人々にとっては『「韓国女性は美人」は国民的認識であり、それだけに「女は美しくあるべし」という世間の要請も強いようだ』と指摘する。韓国美人をよく見ると、それぞれ努力の跡が見られ、韓国の女性は、幼い日から美しくなるための努力をいとわず、美人であることを重要視し、執着すると、観察している。なかなかの観察眼である。「韓国女性はなぜ美人か」という問いの追究は、結果として、韓国人の価値観を浮き上がらせているところが、本書の魅力である。「女の過去は許せるけど、女の不細工は許せない」というジョークがあり、はやりの美容整形は隠すことではなく、人前で女性の容姿について、男も女もあからさまに、しかも悪意なしに褒めたり貶したりする「美人至上主義国」韓国の日常を垣間見せてくれる。
『朝鮮半島の食と酒:儒教文化が育んだ民族の伝統』は、表題通り、キムチや唐辛子、ニンニク、冷麺、酒、肉食文化、匙文化など、韓国の食や食材、酒、食文化について、その歴史と現在を詳しく解説している。著者は食文化の研究者だが、理学部の出身であり、歴史文化だけでなく、食についての化学的な説明に富んでいるところに味がある。『コリアの不思議世界:朝鮮文化史27話』は、こちらも副題通り、韓国(朝鮮)に伝わる文化史を紹介している。ソウルやピョンヤンの都市計画にまで反映されている思想としての風水や、白衣の文化、盗賊の系譜、大極旗の誕生など、朝鮮半島の文化史を巡り、韓国の社会と文化の奥行きに触れることが出来る。 歴史文化や政治経済、社会風俗まで一通りは韓国に精通している上級者には、『ソウルの風景 : 記憶と変貌』(四方田犬彦著、岩波新書)を推薦する。韓国激動の1979年と、南北首脳会談の実現に沸いた2000年に、大学教員として長期滞在した映画評論家でもある著者が、親しい人々の姿や韓国映画を題材にして、韓国社会の深層に切り込み、20年の歳月を経た韓国の変化と現在を映し出している。
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