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図書館
ニューヨーク公共図書館の魅力。図書館での情報検索のヒントやレファレンス利用法。アメリカ議会図書館の役割、トロントの理想の児童図書館、古代アレクサンドリア図書館の紹介など。
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読書ガイド
 図書館の最大の使命は人類の記録を保存することにある。不況のせいか資料購入予算は削られているが、図書館人気はうなぎのぼりで、図書館は活況を呈している感じさえする。図書館の魅力とは何か。
『未来をつくる図書館 : ニューヨークからの報告』(菅谷明子著、岩波新書)は、"こんな図書館があったらどんなにいいだろう"とため息をつきたくなるような、未来型の図書館・ニューヨーク公共図書館を紹介する。ここは専門分野に特化した大学院レベルの4つの図書館と85の地域分館からなる複合体で、年間予算は336億円。スタッフは3700人。公共図書館といっても非営利民間団体(NPO)が運営していて100年以上の歴史を誇る。どこがすばらしいかというと、図書館が時代の最先端の情報発信基地になっていること。日本の図書館のような本を無料で貸し出す場所とは大違いだ。何をするにしても図書館に行けば何とかなるのではないか、と思わせる仕組みになっているし、市民もそういう信頼感を持っている。事実、やる気さえあれば膨大なプログラムが用意され援助してくれる。新しい事業を始める人や失業している人には専門の図書館員が相談にのってくれて、資料の調べ方から、情報を得る方法まで教えてくれるし、専門のボランティアによる充実した講座を受講できる。また、インターネットスキルを磨く方法やインターネットによって情報を収集したり加工したりする技術まで、タダで習得できる仕組みになっている。そのうえ、インターネットを利用するための端末が何千台も無料で提供され、お金のない人を側面から支援しているのである。館長は「ひと・かね・もの」が図書館を支える、と言い切っているが、専門分野をもった優秀な図書館員が揃っている。また、カーネギーのような大富豪やここで勉強し育って行った有名人たちが惜しげもなく寄付をして図書館を支える姿に、ニューヨーク公共図書館がいかに人々の誇りとなっているのかが窺える。この図書館があるからマンハッタンからは離れられない、という人がいるそうだが、納得できる。
『図書館であそぼう:知的発見のすすめ』(辻由美著、講談社現代新書)は、翻訳家が案内するパリと日本の図書館サービス事情。本書は著者が翻訳仕事のために日常的に調べものをしたり、レファレンス・サービスを利用してどれだけのことが図書館で調査できるのかを中心にガイドする。読むと「すばらしい」と言いたくなるほど図書館の資料の力を見せつけられる。著者の資料を探すセンスも参考になる。フランス国立図書館の元館長アラン・グルドン氏や日本図書館協会の松岡要氏をはじめとして、パリと東京の図書館人数人にインタビューしているがその記事も、図書館の裏側を支える人々の姿をいきいきと描きだしている。
『図書館へ行こう』(田中共子著、岩波ジュニア新書)は、小学生から高校生くらいまでの若い人のために、図書館員が現場の仕事を紹介する形で書いた図書館探検のすすめ。図書館という場所が苦手で、まったく図書館を知らない人でもわかるように、図書館の施設、図書館の役割、図書館の棚、図書館員の仕事、読書感想文や調べ物についての基本的な考え方などを、やさしい言葉で丁寧にガイドする。著者は、人の考えに惑わされることなく、自分で考え、確かめながら歩く大人になってほしい、そして生涯にわたり本を読み、図書館を利用してほしいという願いをこめてこの本を書いたと記している。
『理想の児童図書館を求めて:トロントの「少年少女の家」』(桂宥子著、中公新書)は、カナダのトロント公共図書館の児童部である「少年少女の家」に、1970年代に勤務した経験のある児童文学研究者が書き記した児童図書館論。児童図書館は一般の図書館とは仕事内容も選書方針もサービスに対する考え方も違っている。カナダの児童図書館「少年少女の家」はかつては世界をリードするユニークな児童館だった(現在は財政難から閉鎖されている)。幸運が重なりトロントの交換図書館員として選ばれた著者が、ここで司書として訓練されたことを踏まえて、大事な子ども時代に良い本にめぐりあい子どもの想像力を伸ばすために、児童図書館はどうあるべきかを説く。
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