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北朝鮮
金正日を軸とする北朝鮮の政治体制、経済のシステム、外交戦略。儒教的な独裁体制の仕組み。北朝鮮難民と亡命者の実態。日本の統治下における朝鮮や当時の日本人について。
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読書ガイド
 東西冷戦の終了後も独自の社会主義的な国家体制を敷く北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)。その閉鎖性と独裁体制の与える暗いイメージからこの国については真正面から議論されることはなかったが、拉致事件や飢餓や脱北者の事実、そして核開発問題が表面化すると、関心はにわかに高まってきた。
 こうした北朝鮮という特異な国家の体制について政治、経済、外交面からその特徴を説き、国家を支える思想というか妄想、そして犯罪的行為をも辞さない行動原理や意図を解き明かしてくれるのが『最新・北朝鮮データブック』(重村智計著、講談社現代新書)だ。北朝鮮が国家目標として南北統一を目指し、そのためにさまざまな工作を企図したこと、さらに日本人拉致事件やラングーン爆弾テロ事件(1983年)や大韓航空機爆破事件(87年)などはその一環として実行されたと著者は説く。また工作の実態と、これを支える軍優先の国家組織を解説する。独裁国家として統制する原理としては、儒教の価値観を巧みに用いて「労働党という官僚組織と秘密警察、軍の強化という社会主義システムを適用した」点を明らかにしている。対外的には機を見て政策を振り子のように大きく変える独自の方法論を持つと著者は指摘するが、この点は同じ著者による『北朝鮮の外交戦略』(講談社現代新書)に詳しい。
 元新聞記者としても拉致疑惑や工作問題を正面から取り上げてきた著者に対して、これまで北朝鮮側やそのシンパからの中傷嫌がらせが多かったという。こうした問題の存在を否定、あるいは黙認してきた旧社会党や一部学者の言動を振り返り著者は批判する。
 北朝鮮の外交のなかでもアメリカとの関係にしぼったのが『アメリカ・北朝鮮抗争史』(島田洋一著、文春新書)。北朝鮮の存在が国際政治の枠組みのなかで考えざるをえないことがわかる。
 恐怖政治による北朝鮮の崩壊を感じさせるのが『北朝鮮難民』(石丸次郎著、講談社現代新書)だ。日本の大手マスコミが取材をしない中国と北朝鮮国境に93年からフリーの身で足を踏み入れた著者は、北朝鮮から中国へ脱出してくる難民の取材をはじめる。いったん中国に逃れても捕まって強制送還される恐怖におののき中国をさまよう。生き残るために中国人に嫁ぐ。命からがら中国を経て韓国に逃れる。なかには帰国運動として日本から北朝鮮にわたった在日朝鮮人の不幸もある。北朝鮮でも差別を受けて、今度は北朝鮮から脱出する人たちなど、さまざまな難民の置かれた悲劇を知らせる。北朝鮮との個人的な関わりを通して、朝鮮の友人などに思いをはせ、同時に痛烈に金正日体制を批判しているのが『拉致と核と餓死の国北朝鮮』(萩原遼著、文春新書)。
 こうした事実からしても北朝鮮の悲劇について日本人は無視できない立場にある。朝鮮半島と日本との関係を歴史をたどって再確認するガイドとしては『もっと知ろう朝鮮』(尹健次著、岩波ジュニア新書)がある。
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