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テレビとは何か
現代人の日常生活の中で、情報源として娯楽として欠かすことの出来ないものとなったテレビ。テレビ論、テレビとの付き合い方、テレビ番組やCM製作の現場からの報告など、テレビメディアについて考察する。
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読書ガイド
 日本のテレビ受像機の普及率は、出荷台数の統計からみると「世帯」あたりでほぼ100%。個人ベースで考えても70%をこえる。つまり「10人に7人」は「自分のテレビ」がある状況だ。日本でテレビ放送が開始されてから50年。これをわずかな時間と見るか、相当な歴史と見るかは意見のわかれるところであるが、既に国民的かつパーソナルなメディアに育ったことは確かだ。
 私たちにとってこれだけ身近なテレビだが、その仕組みや歴史、さらに毎日見ている番組がどのように作られているのかについては、あまり知らないでいることも事実だ。
 海外では「メディア・リテラシー」といって、メディアをどう読み解くか、そこから受け取る情報をどう評価するかについて教育することも盛んだが、日本では情報教育というとコンピュータ技術の習得に限られてしまう傾向も高い。テレビを「きちんと」見るには、それがいかに作られているかを知ることも必要だというのが、テレビ番組制作の現場からテレビ論の教育へと転じた碓井広義の考え方である。その碓井が、大学での授業成果をまとめ、テレビの歴史、テレビのビジネス構造や視聴率を概観し、ドキュメンタリー制作を演習しながら番組がいかに作られるかを解説したのが『テレビの教科書』(碓井広義著、PHP新書)である。「テレビって何?」に答える適切な入門書が少ない中で、大変によくまとまったまさに「教科書」でもある。
 碓井とおなじく、民間放送の報道・ドキュメンタリー制作のディレクター、プロデューサーとして歩いてきた渡辺みどりは、テレビ草創期から現在を見通せる数少ない人材である。日本のテレビのメルクマールともなった1959年の皇太子・美智子妃殿下ご成婚パレードの中継から、ワイドショーの成立、民放ドキュメンタリーの成功、そしてオウム報道に至るまで、前線での様々な経験をまじえながら、テレビのさまざまな仕組みを彼女が解説しているのが『テレビ・ドキュメンタリーの現場から』(渡辺みどり著、講談社現代新書)。広告収入・視聴率という産業としての枷の中で、民間放送のディレクターたちがなにを考えてきたかが垣間見える。
 日本の放送を民放とともに支えているもうひとつの柱はNHK。『テレビ制作入門』(山登義明著、平凡社新書)ではNHKでのドキュメンタリー番組の制作の現場から、番組の企画、取材、そして編集と仕上げ、という3つの段階を細かく追う。それぞれの場面で何がなされるか、番組ディレクターはどのようなことを考えているかが詳細に論じられている。番組は(ドキュメンタリーに限らず)、時代の何かをとらえ、そしてそこから何かを伝える試みである。それはひとつの表現でありメッセージでもある。特に映像と音声をともなうテレビでなにかを伝える作業がどのようなものなのか、取材対象とのかかわり方や演出、編集して番組として完成させるプロセスまで含めて考えている。
 こうした意味で、テレビ番組をつくることは、クリエイティブな作業である。そこでは作り手・クリエイターたちはどのような発想、どのようなアイディアで番組作りをするのだろうか。『発想の現場から』(吉田直哉著、文春新書)、『視聴率200%男』(安達元一著、光文社新書)では、それぞれ新たな番組を生みだすクリエイター自身が、その疑問に答えている。
『発想の現場から』は、NHKのドラマ・ドキュメンタリーで新たな領域を開拓し続けてきた吉田直哉の発想ノートである。番組の企画や構成、映像表現にこめられた意図や制作秘話が25のキーワードでまとめられる。ラジオでも映画でもない新たなメディアだったテレビで、いかに視聴者に新たなメッセージを伝えるか、NHKに吉田ありと言われた名ディレクターが何を考えてこれに挑戦してきたかがわかる。
『視聴率200%男』は、民間放送各局の人気番組で活躍している放送作家の安達元一が、その仕事をふりかえりつつ、放送作家とは何かに答えたものである。人を笑わせる、楽しませる番組がどのような発想で作られるのか、意外に知られていないテレビの制作現場の仕事ぶりとともに、柔らかな発想をする秘訣にもふれられている。
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