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虫の世界
昆虫の進化、生き残りの戦略、サバイバルの知恵など、昆虫の世界の不思議を解説。
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読書ガイド
 世の中には変わった人が沢山いる。その変わった人々の中でも最右翼にランク付けされるのは「虫屋」と呼ばれる、昆虫好きの人々であろう。彼らは三度の飯より虫が好きなのである。もちろん、「変わっている」などと揶揄するのは、こちらの不明が原因なのであって、虫好きの人々の側に立てば、これほど魅力溢れる虫の世界に興味を持たない人々の方こそ、理解不能の変わり者との誹りは免れまい。
『昆虫の誕生 : 一千万種への進化と分化』(石川良輔著、中公新書)は、その昆虫の世界を、すべての「目」を系統関係から網羅的に見渡そうとする試みで書かれた著書である。昆虫の祖先は、いまから4億年前にエビやカニと共通の祖先から分かれて海から上陸したと言われ、体節を機能別に特殊化させながら進化を遂げてきたという。現生昆虫は世界中いたるところに分布し、1000万を超える種があるといわれている。
 動物は20余りの門に分類され、昆虫は「節足動物門」の中の「昆虫網」に属する動物である。その「網」はそれぞれさらにいくつかの「目」に分類されている。昆虫をその「目」の単位まで分類し、それぞれ、その特徴や進化の筋道を解説したのが、この著書なのである。
 昆虫は、哺乳類とは全く違った方向に進化を遂げた高等動物である。その特徴は、本能行動が高度にプログラミングされていることだと言われていて、生存するために実に様々な戦略を持っている。その虫たちの戦略を楽しく教えてくれるのが安富和男氏の著作シリーズである。
『虫たちの生き残り戦略』 (中公新書)には、数十メートルにも及ぶ蚊柱を作って生殖行動を集団で行うオオユスリカ、殺虫剤を強壮薬にするゴミムシダマシ、ストロボ光を放って会話をするヒメボタルなど、昆虫たちの戦略が楽しく紹介されている。『へんな虫はすごい虫 : もう"虫けら"とは呼ばせない!』(ブルーバックス)、『すごい虫のゆかいな戦略 : サバイバルをかけた虫の生きざま』(同)のシリーズも、同様に虫たちの生き残りのための驚くべき知恵を紹介したものだ。
『生物の超技術 : あっと驚く木や虫たちの智恵』(志村史夫著、ブルーバックス)には、カイコとクモの知恵が描かれている。クモの糸(スパイダーシルク)は絹糸の2倍、ナイロンの1.3倍の強度をもつスーパー繊維なのだそうだ。しかし、クモは共食いをする上、自ら吐き出した糸も食べてしまうために、蚕のように大量に飼育することが困難であり、天然繊維として利用する方法が見つかっていない、という。
 虫屋への第一歩は、昆虫採集である。そこからある人は昆虫学者になったり、またある人はコレクターとなったり、標本商と呼ばれる昆虫屋さんになったりする。根はみんな昆虫採集小僧なのである。『昆虫採集の魅惑』(川村俊一著、光文社)は、昆虫採集少年が高じて標本商になった著者が描いた、優雅で奥の深い虫の世界の話である。その世界では名の知れたつわもの達との出会いを通して、昆虫採集少年が標本商になっていく姿が生き生きと描かれている。つわもの達の姿は一読に値するものである。
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