中央公論社, 1998, vi, 211p., (中公新書 ; 1426)
ISBN: 新<9784121014269>, 旧<412101426X>
本書は、群発自殺と呼ばれる現象が起きる個人的、社会的原因を整理し、それへの具体的対策とは何かを考察するものである。
第1章 自殺の危険と群発自殺
第2章 連鎖自殺
第3章 集団自殺
第4章 自殺の名所での自殺
第5章 群発自殺とマスメディア
第6章 群発自殺の予防
自殺
連鎖自殺、集団自殺などの群発自殺への対策、自殺者のサインからよみとる自殺の予防法、過重労働とリストラのなかで起こる過労自殺などについて。
過労・過労死
日本社会、とくに会社(企業)社会における社員の過労は時として死をも招く。さらに過労が原因とされる自殺までも。過労死を生むような企業社会の問題点とは。過労死を防ぐ健康管理の方法や真の豊かな生活とは何かを問う。
うつ病
たまに気分が沈んで「憂うつな状態」になることは、しばしば経験することで病気ではない。それでは、「うつ病」とはなにか。誰もがかかる可能性があり、きちんと治療を受ければ治る病気という意味で、「心のカゼ」とも呼ばれる一方、自殺につながることもある。診察の受け方、薬物療法の実際、周囲の人の心構えなど、「うつ病」についての知識を得る。
中高年
社会問題でもある中高年の自殺や精神の障害。男の生き方、恋愛、夫婦関係のあり方について。加齢と能力の関係。健康で充実した生活を送るためのハウツーや働きがい、生きがいの持ち方。
精神病
心が病むとはどういうことなのか。鬱病、統合失調症などの精神病理について解説するとともに、異常と正常のはざま、精神医学にできることなども。
精神医学・医療
精神医学はどこまで人の心の病のメカニズムを解明し、精神医療はどこまでその回復の力となっているのか。精神医学・医療の実情を報告、さらには、社会復帰後や精神病棟での患者の人権をめぐる問題を解説する。
ハラスメント
嫌がらせを意味するハラスメント。職場における力関係を利用して精神的・身体的苦痛を与えるパワーハラスメントやセクシュアルハラスメント、相手に精神的なダメージを与えることを目的としたモラルハラスメント、出産・育児の当事者に対するマタニティハラスメントなど、ハラスメントの実態、法的な視点、具体的対策について。
ストレス
心や体のひずみであるストレス。ストレスはどのように免疫のシステムを狂わせるのか、危険なストレスをどう防いだらいいのか。ストレス誕生の謎から対応・解消法などを探る。
子どもの危機
子どもがさまざまな「危機」にさらされている。メディアから溢れる情報、ネットに潜む有害なコンテンツ、深刻ないじめやドラッグ汚染。親や学校、地域社会は子どもたちをどう守ればよいか。
企業危機管理
ビジネス・クライシスの現場から得た「企業危機管理のノウハウ」。どの会社でも起こり得る不祥事の解説と職場の危機管理のために今すぐ手を打つべきこととはなにか。危機管理のための企業防衛法務(リーガル・リスクマネジメント)入門など。