キメラ : 満洲国の肖像
中央公論新社, 2004, 428p, 図版[2]p., (中公新書 ; 1138)
ISBN: 新<9784121911384>, 旧<4121911385>
所属テーマ
内容
一九三二年三月、中国東北地方に忽然と出現し、わずか一三年五カ月後に姿を消した国家、満洲国。 今日なおその影を色濃く残す満洲国とは何だったのか。 本書は建国の背景、国家理念、統治機構の特色を明らかにし、そこに凝縮して現れた近代日本の国家観、民族観、そしてアジア観を問い直す試みである。 新たに満洲・満洲国の前史と戦後に及ぼした影響など、その歴史的意義を想定問答形式によって概観する章を増補した。
目次
序章 満洲国へのまなざし
第1章 日本の活くる唯一の途—関東軍・満蒙領有論の射程
第2章 在満蒙各民族の楽土たらしむ—新国家建設工作と建国理念の模索
第3章 世界政治の模範となさんとす—道義立国の大旆と満州国政治の形成
第4章 経邦の長策は常に日本帝国と協力同心—王道楽土の蹉跌と日満一体化の道程
終章 キメラ—その実相と幻像
補章 満洲そして満洲国の歴史的意味とは何であったか