新書で考える「いま」
編集部がおすすめする一冊を中心に「いま」を考えてみる。
- 『あいまいさに耐える : ネガティブ・リテラシーのすすめ』(佐藤卓己著、岩波新書)
- 世界的「選挙イヤー」の2024年
- 変わるメディアとの向き合い方
- 「フェイクニュースに飛びつき陰謀論を拡散」を「しない」力
目次
2024年は、世界各地で大統領選挙など重要な選挙が相次いで行われる歴史的な「選挙イヤー」となった。台湾、ロシア、インド、アメリカといった、特に日本にも影響の大きい国や地域で国の代表を選ぶ選挙が行われ、今後の世界情勢の変化が注視されている。 ...
- 『超高齢社会の基礎知識』(鈴木隆雄著、講談社現代新書)
- 名俳優 突然の「退場」
- いったい日本人はどういう死に方を求めているのだろうか
- 「理想」の在宅看取りと現実
目次
長年、映画やドラマで活躍した俳優、西田敏行さんが10月17日に急逝した。報道によれば、自宅ベッドで亡くなっているところを「発見」されたという。持病もあり、病死だったことが確認されている。亡くなる数日前にも、出演した映画に関するイベントに共演...
- 『ことばが変われば社会が変わる』(中村桃子著、ちくまプリマー新書)
- 「ご主人・奥さん」から「夫さん・妻さん」へ?
- 古くて新しい「夫さん」呼び
- 言葉が生まれたことで「見方」が変わる
目次
日本語で、結婚した女性が自分の配偶者を呼ぶ名称は、「主人」「旦那」「亭主」「夫」「つれあい」「パートナー」といくつかある。このなかで、「主人」や「旦那」は、平等であるべき夫婦間で、主従関係や家制度の名残を感じさせるとして、使わない、使いたく...
- 『気象予報と防災 : 予報官の道』(永澤義嗣著、中公新書)
- 防災気象情報の扱い
- 「特別警報」「警報」「注意報」の意味するところ
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台風10号の影響で九州、四国地方を中心に記録的な大雨が続き、JR九州は8月29日から30日にかけ全線で運休となった。台風の進路からは離れている静岡県でも大雨の被害が予想され、東海道新幹線も一部を除き運休となったほか、空路の欠航も各地で相次い...
- 『消された水汚染 : 「永遠の化学物質」PFOS・PFOAの死角』(諸永裕司著、平凡社新書)
- 全国の河川や地下水などで高濃度の「PFAS」汚染が検出
- 千葉 PFAS検出問題 海上自衛隊下総航空基地に立ち入り調査
- 便利だがやっかいな化学物質 PFOSとPFOA
- 沖縄では報道されてきた水汚染
目次
全国各地の河川、水路、地下水などから、有害性が指摘されている化学物質が高濃度で検出される事例が相次ぎ、汚染源特定が急がれている。地域によっては、水道水、飲料水として利用されている井戸水から検出されている事例もあり、健康への影響も懸念されてい...
- 『地方消滅 : 東京一極集中が招く人口急減』(増田寛也編著、中公新書)
- 去年の合計特殊出生率 1.20で過去最低に 東京は「1」を下回る
- 「消滅可能性都市」リストの衝撃から10年
- 「消滅可能性都市」とそれ以外の都市の差
- 地方から若者を吸い寄せる「ブラックホール現象」
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1人の女性が産む子どもの数の指標となる出生率は2023年、1.20となり、統計を取り始めて以降最も低くなったことが厚生労働省のまとめで分かりました。2022年の確定値と比べると0.06ポイント低下していて、8年連続で前の年を下回りました。N...
- 『ゆるい職場 : 若者の不安の知られざる理由』(古屋星斗著、中公新書ラクレ)
- 新社会人のスピード退職 相談多数 背景は 離職防止でAI活用も
- 若者はなぜ辞めるのか
- 「仕事がゆるくて辞めたい」
- 職場環境の急激な「改善」も離職率低下につながらない
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退職代行サービスへの相談が増えるなど、4月に入社したばかりの新社会人のスピード退職について、専門家は「不確実性を少なくしたいと思う人も多く、適切な情報を伝えることが大事だ」と指摘しています。こうした中、雇用側とのミスマッチを減らし、早期離職...
- 『なぜ東大は男だらけなのか』(矢口祐人著、集英社新書)
- 「私たちは特別扱いされたいんじゃない」
- 女性の“いない”東大
- 女子学生の支援は「特別扱い」ではない
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4月からスタートしたNHK朝ドラ『虎に翼』を面白く見ている。「日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリー。」とあるように、本作の主人公猪爪寅子のモデルは、1940年に女性で初めて弁護士になったうちの一...
- 『ギャンブル依存症』(田中紀子著、角川新書)
- 「私はギャンブル依存症です」
- ギャンブル依存症は「治療すべき病気」
- エリートにも意外に多いギャンブル依存
- 「なぜ」に意味はない
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大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の専属通訳を務めていた水原一平氏が、違法賭博に関与した疑いで球団から解雇された。3月20日、韓国で初のメジャーリーグ開幕戦が開催された試合直後のミーティングで、水原氏はチームメンバーに「私はギャンブル依存症...
- 『炎上社会を考える : 自粛警察からキャンセルカルチャーまで』(伊藤昌亮著、中公新書ラクレ)
- 日テレ、社内特別調査チーム設置へ 「セクシー田中さん」原作者死去
- 「炎上」が起きる社会背景
- 「共感」が可視化されることの副作用
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日本テレビでテレビドラマ化された「セクシー田中さん」原作者の漫画家・芦原妃名子さんの急死からひと月がたった。ドラマ化の条件として、「原作に忠実に」という当初からの作者の意向が制作側に伝わらず、数回分の脚本を作者自らが担当することになった。異...
- 『人に寄り添う防災』(片田敏孝著、集英社新書)
- 能登地震、死者238人に 珠洲で2人増加
- 「人が死なない防災」
- 防災は「行政対住民」の課題ではない
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元日早々、最大震度7を観測した能登半島地震から4週間が経過し、被害の状況も明らかになってきた。一年で最も冷え込みが厳しいこの季節、地震や津波で甚大な被害を受けた地域の人々が、日常生活を取り戻すまでにどのくらい時間が必要なのだろうか。石川県は...